全国自治体病院経営都市議会協議会主催の「第7回地域医療政策セミナー」が、平河町の都市センターホテルで開かれ、市議会公明党の5人で聴講しました。
地域医療の崩壊が危惧されているとはよく耳にする言葉ですが、今日は2人の先生から実に示唆に富む講演を拝聴しました。
最初に、秋田県横手市の市立大森病院院長の小野剛先生から「地域包括ケア」の取り組みについての話です。先生は自治医大出身で、これまで、住民の視点に立ち、平日の夕方に診療する「夕暮れ診療」や、女性スタッフによる「女性専用外来」など、地域のニーズに応える医療サービスの導入を図っています。夕暮れ診療は年間1千万もの黒字部門だそうです。
同病院は、「住民の視点に立って、住民のことを思って医療サービスを提供したい」(おそらく小野院長先生の熱い思いだと思われます。)という目標が医療スタッフはじめ職員間で共有されています。このことが、病院全体の黒字経営につながっていると感じました。とかく、自治体病院に共通するメルクマールが「赤字経営」、その背後には公的医療機関だから、不採算部門があって当然とする風潮があると考えられる中で、「何のための医療か」という確固たる理念のもとに健全経営を続けていることに新鮮な驚きを覚えました。
そして、超高齢化時代を迎えるこれからの地域医療の方向として、「延命期間の最大化ではなくQOLの最大化」を目標に掲げ、「Cure(治す医療)」から「Care(支える医療)」へ、「入院中心の医療」から「在宅中心の医療」へのパラダイムの転換を進めるために、医療、介護、生活支援、住まい、予防の5つの視点から関係機関のネットワークを強めることが重要と話されました。
今後ますます高齢者、クライアントが増える。しかし、医療や介護などの社会資源は劇的に増えるとは考えにくい。であるならば、限りある資源を最大限に活用し、うまく連携して対応するしかない。ここまでは何とか課題として理解できます。しかし問題は、その先にあると思います。全国どこにも小野先生のような視点を持ったドクターがいるとは限らない。私はまちづくりにおいても同様、ここでも「キーパーソン」の存在が不可欠だと考えています。
地域のことを思い、わが身を削ってまでも行動する人材がどれだけ出現するのか、小野先生の講演を拝聴してまたこの点に行きつきました。
2人目は、福井県おおい町名田庄地区の若き診療所長中村伸一先生の「自宅で大往生~地域に寄りそう医療の形~」と題した講演です。また稿を改めます。