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12月定例市議会閉会

昨日(17日)12月定例市議会は、本会議を再開し、各常任委員会に付託された案件について委員長報告のあと提案案件すべてについて原案どおり可決され閉会した。焦点となったのは、議案第97号「甲府市老齢者医療費助成金支給条例の一部を改正する条例制定について」である。65歳以上74歳までの住民税非課税世帯に対する医療費助成制度の廃止を内容とするもので、常任委員会では白熱した議論の結果、4対3で可決されたものである。

本会議では、委員長報告のあと、採決に先立って「討論」が行われ、甲府市議会ではこれまであまり見られなかった、賛成、反対あわせて5人が登壇した。賛成側は、第一会派(政友クラブ)及び第二会派(新政クラブ)、反対側は、順に共産党、公明党、社民党である。この問題に対する問題意識の高さとともに、我が会派が当局提案に対する反対討論を行うというかってない事態に遭遇し、議場が静まり返った。

討論では、(1)医療ニーズが高まる70歳近い年齢階層で、深刻な影響を及ぼしかねないこと、(2)国からのペナルティーがあることは事実であるが、これを高齢者に転嫁するのはおかしい、(3)社会保障制度改革国民会議が議論をスタートさせている状況の中で、流れに逆行する感がある、(4)県内の高齢者福祉のパイオニアとしての灯を消すことは残念である。

こうした理由を挙げ、医療費助成がいのちをつなぐ「最後のセーフティネット」であり、この制度によってかろうじて日常生活を維持してきた高齢者に対して一律に重い負担を課することから、賛成できないと主張したものである。

賛成側は、社会構造が制度スタート時から急激に変化し、世代間の負担の公平化を図る必要がある、全国的にも廃止の方向に向かっている、福祉センターの整備や他の予防的施策の充実が図られてきている、等の理由をあげていた。

ただ、予防的な施策や健康づくり施策などによっても疾病は厳然として根絶することが困難である。抵抗力が低下している高齢者にとって、風邪をひいただけで重症化する危険と隣り合わせであり、医療と切り離せない状況は容易にうかがえる。医療費負担が一挙に3倍に跳ね上がって生活に支障が出ない低所得者がいるだろうか。

こうした弱者の声を誰が代弁するのか。こう考えた時に、我が会派の考えは固まった。9月議会で取り上げたときには、いきなり全廃というニュアンスは感じられなかったため、今回の条例改正案は正直いって唐突な感が否めない。もう少しきめの細かい検討が出来なかったものか。

採決は、議長を除く31名の議員中、賛成20名、反対11名と、実に約3分の1の議員が反対した。地元紙は淡々とこの事実を伝えているが、ことの重大さはこれからじわじわ明らかになっていくだろう。

いかなる理由があってもいのちをつなぐセーフティーネットを根底からなくすことには賛成しかねる。それが、ソーシャルインクルージョン、すなわち社会的包容力のある「支えあう社会」の実現を政治信条とする私の変わらぬ立場である。しかも、この件は宮島市長との政策協定に廃止しないこと、という項目で合意されているものである。これを全く無視していきなり廃止条例を提案してきたから、政策協定の規定から反対しただけで、理由なく反対したものではないことを追記しておく。

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