6月議会で、「協働のまちづくり」について取り上げた。今、まちづくりについて主流になっている考え方であり、甲府市でも現在の総合計画の基本理念となっている。
行政と市民が、お互いの役割分担のもと、連携協力し合ってまちづくりを進めていくことを表現したものである。これを掘り下げていくと、まちづくりの主体は市民であり、その限界を埋めるものとして行政の支援があるということとなる。
かつて「行政サービス」という言葉がもてはやされた時代があった。数十年前、「なんでもやる課」という部署が新設され、市民の要望に何でも応えるのがサービス業としての行政のあり方と、拍手喝さいを浴びた自治体があったと記憶している。
実はこれこそ現代の地域衰退の大きな要因となったのではないかと今でも疑問を持っている。要は「手を出しすぎて」いるのである。
何でもかんでも行政の支援を求める、いわば過度の依存意識が、地域自体の課題解決意欲を次第に失わせる結果となったのではあるまいか。地域の社会構造も核家族化が進行し、住民相互の絆も次第にルーズになってきたところに、様々な難題も地域を飛び越えて、住民からダイレクトに行政に持ち込まれるようになったことは、地域自体の存在意義を危うくさせる。
近年甲府市でも自治会加入率の低下が指摘されている。こうした地域の衰退を如実に表しているのではなかろうか。
この衰退を食い止めるためには、行政による支援の在り方について改めて考える時期に差し掛かっている。
「自分たちのまちは自分たちの手で」。何度となく叫んできたこの”スローガン”は、地域自体の課題解決意欲を再び高める「パラダイムの転換」を促している。そして、行政の役割は、地域を「その気にさせる」エンパワーに徹することだ。もちろんこれには、補助やアドバイスなどのインセンティブを与えることや、地域で解決困難な課題について一緒に解決にあたるということが当然含まれる。
こうした地域の自立を促すことが目指すところは、地域づくりに一緒になって汗をかくことにより、自分たちの地域への誇りを再び感じるようにすることである。もっと簡単にいえば「住んでよかった」、「帰ってきたい」と思える地域に変えていくことが可能となることである。
「手を出しすぎない」ということは、決して行政の責務放棄ではなく、むしろ人間関係が希薄化し、ややもすれば衰退しがちな地域に対する最大の支援策である。