参院選が終わり、新しい構成で国会がスタートする。秋にはおそらく臨時国会が開かれ、山積する課題処理が本格化するだろう。
今回の選挙で、ネット選挙運動が解禁となったが、その効果等はどうだろうか。そろそろ、その検証が出始めてくると思われる。
選挙公示後もネットを使った情報発信が可能となったことで、投票行動にいい影響が出るのではないか。政治に無関心といわれ続けてきた若い世代に対して、政治への関心を促し、結果投票率も好転するのではないか。解禁に対する期待はかなり大きかったように思える。
しかし、これまでの報道を見る限り、投票率の低さ、ネット情報を参考にした有権者の割合の低さ、などが指摘され、必ずしもネット選挙運動解禁が劇的な好結果をもたらしたとはいえない、とする論調が圧倒的に多い。
これは、当たり前といえば当たり前の話である。そもそも、ネット選挙運動の解禁は、公示後も不特定多数の有権者に対して、候補や政党の政策や考え方を瞬時に提供できるツールを提供しただけである。
「政治に対する信頼」を前提に、候補、党の考え方を比較検討して、この候補、この政党なら国民のための政治を実行してくれる、という判断材料を提供し、有権者の投票行動に結び付けようというのが本来の狙いであろう。
だが、まだまだ当初の期待通りの結果が生まれているとは言い難い。なぜだろうか?
一つには、政治に対する不信感が依然根強いということだ。そのため、発信された情報すら拒絶する層が存在する。また、自分が一票投じても何も変わらないという、あきらめに似た無力感。これらが圧倒的に多いのではないだろうか。
政治に対する不信感は、おそらく、これまでの日本の政治状況にうんざりしていることと表裏一体である。特に国民そっちのけで不毛な抗争に明け暮れる政局優先の姿。また、民主党政権時のマニフェストの権威の失墜と国民の失望。
投票率の低さや関心の低さの底流にあるのは、こうした政治に対する長い間醸成されてきた不信感であり、そのため、どんなにネットを使って素晴らしい政策を訴えたところで、懐疑的な見方をされやすい。
日本の政治状況を劇的に転換し、政治に対する信頼を取り戻すことが何より大事である。そのためには、今後国会が国民のために真剣に議論を戦わせ、合意形成の努力をしている姿を見せることだ。特に若い有望な人材が多く登場した今回、その実現への期待が大きい。
政治が変わるのはこれからである。そして、ネット選挙運動解禁が期待通りの効果を発揮するのもこれからである。だから、今後もしっかりとした考えをネットを使って常に発信し、信頼を勝ち取る努力を地道に続ける必要がある。自分に対する戒めも含めて。