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税制改正の方向が固まる

12日、与党の税制改正大綱が決定された。大きな論点は、消費税引き上げに伴う「軽減税率」の導入と、自動車取得税の取り扱いである。

軽減税率は昨年の税と社会保障制度の一体改革法の論議の中で、低所得者対策として公明党が強く導入を主張したもので、食料品等の日常生活で頻繁に購入する品について税率を低く抑える制度であり、EU諸国で既に実施されているものである。

消費税の特性として、所得の低い階層ほど負担が相対的に重くなる、いわゆる「逆進性」がしばしば指摘されるところである。そこで、日用品など生活上どうしても必要な品目については税率を抑えるべきというのが我が公明党の主張である。

これまで、対象品目の線引きが困難であることや、事務手続きの増加、特に税率が異なる品目についての仕分け伝票の作成などの手間などから、与党の中でもまた財務省などからも導入に消極的な意見が相次いでいた。そのため、明年の8%引き上げ時での導入は見送られ、昨年の税制改正大綱では、「10%引き上げ時に導入を目指す」という消極的な表現にとどまった。

しかし、この一年、公明党の懸命な努力もあって、事務手続きの簡素化が可能との結論に達したことから、今回「10%引き上げ時に導入する」とし今後1年かけて制度設計を行うことに決着した。

我が公明党は、税と社会保障制度の一体改革に関する「3党合意」を終始リードし、少子高齢化が加速するなかで将来にわたっての社会保障制度の持続可能性の確保のため、「負担と給付」の適正化を目指して、一体改革法の成立に尽力してきた。

その際、消費税の逆進性の緩和のために軽減税率の導入を一貫して訴えてきたが、「事務手続きの煩雑化」、そして終盤での「軽減税率導入による税収の落ち込み論」がその行く手に大きく立ちはだかった。前に指摘した「出来ない理由という名のやりたくない理由」の大合唱である。

しかし、先進諸国で出来ることが日本でできないわけがない。出来ない理由をあれこれ考えるのではなく、「どうしたら出来るのか」を考える「発想の転換」が必要なのである。「減点式思考法」から「加点式思考法」への転換が見事に実現したものとして、今回の公明党の努力に拍手を送りたい。

もう一つの自動車取得税の問題も決着した。昨年の一体改革法の論議の中で、公明党の主張により、消費税10%引き上げ時での自動車取得税の廃止が決定されているが、8%へ引き上げの来年4月以降は、与党内で公明党が自民党を説得して当面現行の税率を引き下げることとなった。

ただし、地方の大きな税源であった自動車取得税の廃止により、地方財源の縮減への懸念から地方自治体サイドからは、代わりの税源確保の要請が相次ぎ、にわかに「軽自動車税」の引き上げが議論の遡上に上った。

軽自動車は車社会の地方では生活の足であり、また農家等では軽トラックが仕事上なくてはならないものであることから、軽自動車税の引き上げには特に慎重な検討が必要である。

最終的には、与党内で激論の末、2015年4月以降に新規に購入する軽自動車に限って引き上げの対象とし、それ以前に保有されているものについては現行のままにすることで最終的に決着した。

いずれにしても、社会保障制度の持続可能性確保という視点から負担と給付のバランスを図った、という本質を見落としてはならない。メディアでは、「税の引き上げ」という側面のみの報道が多いが、単なる「増税」ではない。少子高齢化、特に団塊世代の大量移行という社会構造の変化を忘れてはならず、社会保障制度の将来にわたる持続可能性という大きな課題克服のための税制改正であることを正しく国民に伝えるべきである。

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