甲府市議会6月定例会は、10日から質問戦が始まった。12日までの3日間、12名の議員が登壇する予定となっている。
10日最初に登壇した市議会最若手の神山議員の人口減少社会に向かう中での自治体経営という問題意識からの質問は、これからの社会の中心的担い手である若者世代からの提言であり、興味深いものがあった。
国もようやく将来のある時点で人口減少に歯止めをかけるべく動き出したこの時点で、基礎自治体としても明確な打ち出しをすべきであり、人口減少に歯止めをかけるための共通認識を持つ必要性に言及している。
神山議員は、「人口減少を止める、少子化に歯止めをかけるためには、働き盛りの現役世代が仕事だけではなくて、子育てや地域活動、自身のプライベートなどの活動もできる「ゆとり」を持てるようにしていかなくてはならないと考えている。
そのためには、子育てに負担と不安がないようにしていく、若い世代が将来に不安を感じずに誇りを持って働ける仕事がある、ことが重要である」(神山議員のHPから)と指摘している。
そのうえで、子育て世代の負担軽減として、出産一時金や子ども医療費の無料化などの拡大などを訴え、また仕事の創出として首都圏に近接している立地条件を生かした「テレワーク」などを提言し、さらに子どもに関する施策を総合的に展開するための新たな部署を設置すべきと主張した。
私も以前、これからの社会の支え手、担い手である次世代への支援にシフトすべき時がきており、「どこへ向かうのか」という明確なビジョンを打ち出し、政策誘導を行うべき、とブログに記したことがある。
確かに、自治体の行財政を取り巻く環境は依然厳しい状況にあることは十分承知だ。
しかし、その中で出来ることはあるはず。国の支援を期待する一方で、市民生活に責任を負う基礎自治体自身としての努力は避けて通れない。
2月に視察した山鹿市、人吉市では、あらゆる政策を総動員して明確に次の世代への支援を打ち出し、人吉市では出生率が群を抜いているという。
私の持論だが、常にイノベーションの先頭を走るのは若者世代である。こうした若い世代の提言に真摯に向き合い、お互いに知恵を出し合うことは決して無駄ではない。その意味でこの日の議論が今後深まることを率直に期待する。
そして、甲府市の未来に向けた持続可能性を考えるうえでは、今後ますます若者世代の多様な意見が数多く登場することが期待されるところである。