8月8日、視察最終日の午前9時半から気仙沼市を訪問し、震災後の議会の対応及び議会改革の状況についてお伺いした。
村上副議長の歓迎のご挨拶のあと、震災調査特別委員会村上委員長から震災時の議会の行動について、次いで高橋議会改革特別委員会委員長から議会改革の状況について説明をいただいた。
発災時は予算審査特別委員会中であったが、直ちに委員会を閉会し、各議員の個別の災害対応とした。
定例会は会期を残していたため、連絡がつく議員を召集して何とか議案処理をし、3日後の3月14日にすべての議案を可決して閉会し、なんとか流会を防ぐことができた。
当初、議会基本条例を3月議会提出する予定であったが、震災の影響で同年の6月議会へ提出し、制定したと伺った。
<災害時の議会対応について>
〇気仙沼市議会においても、こうした大規模災害が議会開会中に発生した場合の対応についてとまどいがあったという。特に、一旦延会等の措置をとっても、通信手段が途絶えた場合に議会を再開させようとしても、どのようにして召集連絡するか課題が残るとしている。
〇災害対策本部には、議員がメンバーに入っていないため、議会として災害にどう対応していくべきか、統一的なルールを定める必要がある。特に、地域の必要な情報を議員個人が集約して本部に提供すると、対応がバラバラになる危険があり、また被災していない地域の議員が何をすべきかについて、混乱を招く。
〇議員は市全体の立場で行動すべきであり、個人的な行動より議会という組織体で行動すべきである。
〇被災する職員が多数上る状況の場合、必然的に行政機能の低下が避けられない。その場合に2元代表制の地方議会と当局の関係についてもルールを定めておく必要がある。特に今回のように被害が甚大で、復興に向けた事業が膨大かつ人員不足の状況にある場合、平常時と同様の関係はある程度変更せざるを得ないのではないか。
〇こうしたことを踏まえ、市の防災計画との整合を図りながら、議会の災害対応マニュアルの作成を検討していく。
<議会改革について>
〇気仙沼市と合併する前の旧本吉町は、議会改革のパイオニアとして有名である。議会改革といえば北海道の栗山町が全国に先駆けて基本条例を制定したことで知られているが、旧本吉町ではそれ以前に、議会報告会や議員討議など、現在の議会改革の柱というべき取組をすでに行っている。
〇その中心者が今回説明をしていただいた高橋特別委員長である。氏は前に読んだ河北新報社の「変えよう地方議会」の中にも登場されている方である。
〇議会基本条例の制定に向けた検討は既に平成20年度に始まっており、旧本吉町が編入合併した平成21年度以降議論が本格化した。
〇以後1年余の議論を経て、平成23年3月議会最終日に提案することが決定されたが、大震災の発生により提出を見送り、同年6月議会にて可決成立した経緯がある。同年9月議会では、「震災復興計画」を議決事件に加える条例制定まで行っている。
〇気仙沼市議会では、市民との意見交換の場として、基本条例中に「一般会議」という制度を採用しているが、いわゆる「議会報告会」とは若干性格を異にしている。その大きな特徴は、市内団体からの開催申し出を中心とし、なおかつ開催会場を市役所に限定している点である。
〇内容等を眺めると、こうした団体からの提言をもとに議会として市政上の課題を把握し、政策提案の拡大を図るという狙いがある。あくまでも「議会」という組織としての意見集約である点で、2元代表制のもとでの議会の役割を市民に分かりやすい形で示している。
<視察のまとめ>
今回の会派視察では、大規模災害時の議会の果たすべき役割、その権能の明確化などについて非常に参考となった。
本市議会では、こうした議会の役割、権能を明確化した基本条例はいまだ制定されていない。しかし、今後発生が予想される大規模災害への議会としての対応も含めた、客観的なルールづくりは是非とも必要であり、なおかつ2元代表制といわれつつもなお議会の役割や権能については明確な自主的制度がない現状では、議会改革の最優先課題として議会基本条例の制定を急ぐべきである。
次回以降、今回の視察を踏まえた議会改革の在り方について改めて考えてみたい。