視察最終日の11月19日、松本市議会の議会改革の取り組みについて研修した。
同市議会では、平成19年8月に議会改革検討のための組織である「松本市議会ステップアップ検討委員会」を設置、翌20年1月から条例制定に向けた検討を行い、最終的に平成21年3月議会で全会一致で基本条例が可決成立した。
この条例に基づく具体的な議会改革策を遂行するため、4つの部会を設置している。その概略を紹介すると、
(1)政策部会では、①政策提案・提言の仕組みの研究、検討、②議会運営の充実・効率化の検討、③議員研修の企画、運営等を所管する。
(2)広報部会では、①情報発信、情報提供方法の検討、②議会報告会の企画、運営等を所管する。
(3)交流部会では、①市民参加、市民連携の検討、②市民意見の把握方法の検討、③他市議会との交流、連携方法の検討等を所管する。
(4)これらの部会の所管施策の進行管理や部会間の調整を担う部会として、進行管理部会を設置している。
全議員がいずれかの部会に所属し、一人ひとりが自覚と責任をもって、議会改革を推進することを求めている。役割分担を明確にし、効果的な推進が実現できるよう体制整備が行われている。
これまでの各部会の具体的な取り組みを見ていくと、
まず、政策部会では、①請願・陳情の趣旨説明の導入、②移動委員会の実施、③政策提案の推進として、常任委員会ごとにテーマを設定し、研究・検討を行い、その結果を「松本市議会政策討論会」で議論し、集約した成果を議会として政策提案している。④議員研修は年2回当面する課題について主に外部講師を招いて研修を行っている。
次に、広報部会は、①委員会レポートとして、委員会審査状況、直近の議会活動等を地元ケーブルテレビで60分番組で放送している。②議会報告会は、議会の状況等の報告とともに、参加者から議会への意見・提言を受け、市政や議会活動への反映に努めている。③議案に対する賛否の公表として、HPで全議案について公表、議会だよりでは紙面の都合上一部を公表している。④このほか、議員講師による「出前講座」を実施している。
交流部会では、各種団体との意見交換会のほか、松本市議会ステップアップ市民会議を平成22年度に設置し、委員からの意見・提言を議会活動、議会運営に反映させることに努め、市民参加によるより開かれた議会の実現を目指している。
松本市議会は前日までの2市議会と同様、日経グローカルの議会改革度調査で上位を占める常連議会である。基本条例制定で議会機能の充実・強化のための基盤をしっかりと築き、定められた改革策を部会設置により全議員の役割分担のもときちんと遂行していく。
いずれにしても、議会が自律的に制度の現状が抱える課題に向き合い、その克服についての目標を全議員が共有することがまず重要であると思われる。市民の負託、期待の応え得る議会へと脱皮するために、常に制度を検証し、改革の不断の努力が今後益々求められるだろう。
我が甲府市議会も現任期満了までに、議会改革、とりわけ議会機能の充実強化に向けた検討組織を立ち上げる必要があるのではないか。検討組織の設置による議会としての方向性を明確にこの時点で規定しておくこと、これが今回の3日間の行政視察で痛感したいわば視察の成果といえるものである。