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市議会総務委員会の審査から

甲府市議会3月定例会の閉会を19日に控えたこの日、総務委員会が召集された。

議題は、2月17日午前5時50分に発生した庁舎4階防災課内の窓枠落下事故についてである。

この件については、3月5日の委員会ですでに当局側から経緯と対応状況について聴き取りを行っているが、この日は施工業者、設計業者、サッシ業者の3者を参考人として呼び、現在までの調査状況等について聴き取りを行ったものである。

5日の委員会で、窓枠落下の原因として、4階の吹き抜け部分の跳ねだしのコンクリート床(スラブ)のゆがみ(クリープ)により、サッシの掛かり代が設計上の許容下限値を下回ったことが想定される、との緊急調査結果が示されており、本日の業者側の説明も同様であった。

先日の新聞報道で、庁舎全体に対する不安を訴える市民の声もあり、ことは単なる窓枠落下にとどまらず、竣工からまだ日が浅い新庁舎本体の構造上の安全性にまで 飛び火しそうな雰囲気であった。

委員長として真っ先に考えたのは、何と言っても徹底した原因究明と万全の対策を講じることにより、一刻も早く市民の不安を払しょくさせることである。

業者側は事故直後、直ちに緊急対策チームを立ち上げ、すべての窓枠の総点検を行い、応急措置を講じるとともに、原因究明にあたってきた。その結果、3月いっぱいを目途に市に対して「原因特定と恒久対策」を報告し、市側は先日設置した対策会議でこれを検証していくこととなっていた。

どういう原因特定がなされるか、関心のあるところであるが、市では報告内容について第3者機関を設置して客観的な検証を行っていく考えを明らかにしている。

いずれにしても、現状では窓枠落下の危険性は取り除かれたが、構造上、設計上の問題なのか、施工上の問題なのか、事故のあった部分だけでの問題なのか、など市民の不安を払しょくするためには、こうした疑問を全て解消させるだけのデータを示して原因の特定がこれから求められる。

委員会では、委員長の立場上質疑ができないため、これまでの委員会の審査状況を踏まえて、整理しておきたい。

(1)判明している事実

①重量100kgの4階窓枠が落下したこと ②窓枠の掛かり代が設計値7.5mm、許容値5mmを下回る1.5mmとなっていたこと ③落下の想定原因が4階床のコンクリートのクリープ(ゆがみ)であると考えられること ④当該コンクリート部分はいわゆる「現場打ち」という現場施工であったこと ⑤5階以上は、当初設計では現場施工の予定であったが、東日本震災被災地の復旧工事の影響による作業人夫不足からか、PC(工場製作製品)に変更していること の5点である。

(2)究明すべき事項

①窓枠落下の直接的な引き金となったのは、「掛かり代」の数値不足であるが、現時点での想定されるその原因として、コンクリートのクリープとされているが、今日の設計業者の説明では、クリープも想定して設計されているとしている。とすれば、真の原因究明は、「想定を超える」クリープ、すなわち「掛かり代」の許容下限値を超えるようなクリープがなぜ発生したのか、という点にある。庁舎が通常の使用状態であり、地震等の外的要因がない以上、かかるクリープが設計上の不具合か、施工上の不具合か、いずれかであることは間違いない。

②気がかりなのは、「掛かり代」が設計上の許容下限値を下回る箇所が、コンクリート床の現場施工箇所に集中していることであり、いわゆるコンクリートの養生が適切になされていたかに疑問が生じていることである。委員の間からは、基礎工事段階での労災事故がその後の工期圧縮につながり、その結果コンクリート養生期間が短縮されてしまったのではないかという声も上がった。このことは、工場製作製品を使った5階以上では不具合箇所がほとんどないことから十分考えられる点ではないだろうか。

いずれにしても、庁舎建設中の各段階でそれぞれ中間的な検査を実施しているはずであるので、設計どおりの施工となっているか、全てにわたって再点検を徹底的に行い、市民の不安を完全に払しょくするだけの原因究明がなされることを、総務委員会委員長として望むところである。この日の委員会の締めくくりにあえてその旨発言させていただいた。

地域の方から要望されたカーブミラーが設置された 地域の方から要望されたカーブミラーが設置された