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会派視察(1)~長野県小谷村~

市議会公明党は10月19日~21日の日程で行政視察を行った。今回は隣接長野県内の市町村を対象とした。初日の19日は小谷村の定住促進事業の状況を調査した。

小谷村へは中央本線の特急あずさ南小谷行きが日に何本か運行しており、甲府から約2時間30分、気軽に足を運べる「秘境」というイメージがある。

人口は今年1月1日現在の住民基本台帳人口で3,105人、高齢化率36.2%の山あいの村である。ただし、周囲はスキーのメッカであり、冬場はスキー客で大いににぎわう。

南小谷駅から西はJR大糸線で糸魚川駅まで続く。こちらはJR西日本で、ちょうど南小谷はJR東西の分岐点である。

いたるところに日本の原風景とも言うべき美しい棚田が広がるこの村だが、昨年11月22日に震度6弱の地震が襲い、大きな被害が発生している。神城断層がその原因とされており、ちょうど断層に沿って被害が発生している。

小谷村での研修テーマは「定住促進事業」である。その内容はいたってシンプルで分かりやすい。

平成25年4月1日以降に小谷村に転入した住民に対して、その形態により「ポイント」を付与し、村での生活や仕事に必要とされる事柄に1ポイント1万円の率でポイント還元することにより補助を行う制度である。

その内容は子育て世代の転入定住を促進しようというものとなっている。

まず、転入者1人につき5ポイント。これが基本ポイントとなる。そして加算ポイントとして、39歳以下で配偶者とともに転入した場合、1世帯50ポイント。

転入世帯の中に12歳以下の自動がいる場合、児童1名につき100ポイント。

転入者が消防団に入団した場合、1名につき10ポイント。

転入者が村内で新規就農した場合、50ポイント、新規起業した場合、100ポイント。

これらポイントの上限は200ポイント(200万円)となっているが、例えばこれを使って住宅リフォームをしたり自動車を購入したりできるなど、使途に制限はない。

25年度の制度スタートから現在まで、13世帯が活用しており、徐々に件数が増加しているという。なにしろ、自然環境は群を抜いて良好であり、農山村特有の時の緩やかさをを感じさせ、最近の「田園回帰志向」にはピッタリの風土ゆえ、今後の興味が大いにそそられる。

どの自治体も人口減少局面を迎え、国の法律に基づく地方創生への取り組みとして、現在人口ビジョン、総合戦略を策定しているところであるが、自治体の地理的条件、社会資源、人口構造、これまで長い間の生活様式など、もろもろの要因を的確に分析し、目指すべき将来像を議論していくことが求められる。

その際、やはりトップダウン的な手法よりも、そこに住む人々が自分たちの手で、というありかたが理想である。人口減少という一見すると「負のイメージ」を打ち破るのは、やはり「ふるさとへの郷愁」という素朴なナショナリズムともいうべき心情に裏打ちされたまちづくりの情熱と考えられるからだ。
南小谷駅前広場 南小谷駅前広場