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会派視察(3)~茅野市福祉21ビーナスプラン~

視察2日目の20日午後、茅野市役所にお邪魔し、福祉21ビーナスプランについて研修させていただいた。

茅野市は本県からも近距離にある人口55,000人の都市で、蓼科高原、白樺湖、車山高原など、年間観光客320万人が訪れるリゾート地帯を抱えている。

高齢化率を伺って少なからず驚いたが、28.2%と本市よりも高い。市域の4分の3は森林が占め、JR茅野駅を中心とした市街地から放射状に多くの集落、耕地等が展開している。

今回の研修テーマは「パートナーシップの福祉でまちづくり」である。’

茅野市のまちづくりの基本的な考え方は「市民・民間主導、行政支援」であり、その役割分担を明確にしたうえで、協働のパートナーシップによるまちづくりを進めていくことにある。

その第1ステージは、平成7年からスタートし、実際に活動している市民やグループ、民間事業者などによる分野別の市民ネットワーク(市民主導型プロジェクト)を立ち上げた。取り組み目標は「点から線へ」である。

茅野市も公民館活動が古くから活発であり、市民の主体的な取り組みの素地はすでに出来上がっていたようだ。

第2ステージは平成18年からである。第1ステージの活動により分野別に生まれた線的な流れを面的へと発展させるため、「地域コミュニティの活性化と活動推進のしくみづくり」を手掛けた時期である。

行政の体制整備として、地区コミュニティセンターの設置と市域を4つのエリアに分けそれぞれに設置されている保健福祉サービスセンターに、市職員である「地域福祉推進係」と社協職員である「地域生活支援係」を併設することにより支え合いの地域づくりに向けた支援体制を敷いている。

こうした背景のもとに、福祉21ビーナスプラン第1次が平成12年度~21年度の10年間実施され、平成22年度から29年度の第2次プランが現在進行中である。

ビーナスプランは、市の総合計画の下でのまちづくりの最上位計画であり、社協の計画も一体化しているところに特色がある。

その基本設計は、市民が「身近で」「何でも」相談できる「ワンストップサービス」の仕組みにするため、生活圏の階層化と保健福祉サービスの重層化を図った。これが市域の中での4つの保健福祉サービス地域である。

茅野市を取り巻くエリアをより広域的なものから身近な区・自治会に至るまで、5つの階層に分類し、保健福祉サービス地域は、第2層である市全域につぐ第3層としてとらえる。

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そして生活圏の階層化による住民相互の支え合い、いわば共助のウェイト付けを説明し、これに保健福祉サービス地域の公的なサービスを組み合わせることによる、日常生活の質の向上を目指している。

その核となる機関としての保健福祉サービスセンターには、マネジメントスタッフとしての市職員(保健師、SW、介護支援専門員)と社協の地域生活支援係が配置され、チームとしてトータルケアに取り組むとともに、直接サービス部門のスタッフには、社協、JA、民間事業者から派遣され、センターの職員と連携して各種サービスを提供する仕組みとなっている。

現在のプランの構造・重点課題として、市では次の4点を挙げている。

第1は、社会福祉協議会の役割の明確化と社協の基本計画である地域福祉活動計画を一体化し、行政と社協の連携・協働の関係を深めることにより、身近な生活圏での自助・共助・公助の仕組みづくりを目指していることである。

第2は、地区、自治会での地域ネットワークづくりとして、全10地区での「地区コミュニティ運営協議会」の設立、地区社会福祉協議会の再構築、全98の区・自治会で「福祉推進委員」を配置した。

第3は、保健福祉サービスセンターの充実である。その具体的な内容として、総合相談窓口としての職員の資質向上、地域の課題を把握するための「地域とのネットワーク会議」の開催、センターの運営の在り方について地域の意見を反映させるための「運営協議会」の設立である。

第4は、地域福祉行動計画の推進である。これは、10地区すべてに地域自らが課題を考え、自ら実践していく計画を策定させることにより、将来的には見守りや支え合いの仕組みづくりへとつなげていくことを狙いとしている。

こうしたビーナスプランを着実に遂行していくことにより、人口減少や少子高齢化へと移行する地域社会を再び活性化し、再構築へとつなげていくことが可能となる。特に、地区の主体性を引き出す努力は今後の地域づくりにあたって大いに参考とすべき点である。

地域で考え、地域でできることは、地域で計画的に推進する。これに保健福祉サービスセンターや地域コミュニティセンターなどの行政機関が「お手伝い」をする。

パートナーシップの福祉でまちづくりとは、市民主導で行政が陰で支える、見守り支え合うという「福祉」によってまちをつくるという優れた市民運動と言える。

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