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軽減税率 ぜひ実現を

さて昨年秋以降は筆をとる回数が下降気味であり、少し反省をしているところである。公務や私事に追われ、つい先送りにしてきた。

今年は夏に参議院選挙もあり、しかも選挙権も18歳以上に拡大されることから、しっかりと自身の考え方をこまめに発信していかなければと、戒めの意味を込めて気持ちを新たにしている。

今回は、昨年末に決着した「軽減税率」について振り返ってみたい。

軽減税率は消費税引き上げに伴う納税者の痛税感を和らげるため、公明党が当初から一貫して導入を主張してきたものである。これまでの与党内での協議を通じて、平成29年4月の消費税10%への引き上げと同時に、一定品目については、従来の8%に据え置くことが合意されていた。

問題は、どの品目を軽減税率の対象とするかであり、これとからめて課税事務が過重に負担を強いるものとならないような配慮が求められている。

前者は、対象品目を広げすぎると当初予定していた税収が見込めなくなり、消費税引き上げの主目的である社会保障の充実に支障をきたすことが懸念される。

後者は中小小売業等に対して税率ごとの売り上げ伝票の作成を求めるとなると事務の煩雑化を招き、対応不能にならないか、という課題が指摘される。

公明党の主張は当初から一貫している。それは日常生活で毎日のように必要となる食料品全般を対象とすべしということである。特に消費税は低所得者ほど負担感が増すという逆進性を持った税目と言われることから、日常生活に欠かすことのできない食料品は税率を抑えるべきである。

議論の出発時点では与党内でも対象品目の範囲について大きな開きがあった。自民党サイドからは生鮮食品のみにすべしと減収額を極力抑えるための提案がされ、公明党側は加工食品も含めるべきだと両社の協議は難航を極めた。

加工食品を含めるべきとしたのは、例えば刺身を単品で買うと軽減税率の対象となるが、これを刺身の盛り合わせにすると加工食品に該当し、高い税率となるというのはあまりに不合理だという点にある。高齢者単独世帯では、こうした加工食品の需要が多く、なおかつ低所得世帯が多いという指摘もあることから我々は強く主張したところである。

最終的には公明党の主張が認められ、酒類、外食を除く食料品に対して軽減税率を適用することで決着した。粘り強い議論と理詰めの主張が奏功したというべきだろう。

こうして決定した軽減税率の方向性が1月4日からの通常国会で審議されていることは報道の通りであり、その議論を概観することによって軽減税率及び消費税の引き上げについて考えてみたい。

野党側からの指摘は軽減税率導入による減収分1兆円をどう手当てするのかという点に集中したといってよい。消費税引き上げが民主党、自民党、公明党の3党で合意した「税と社会保障の一体改革」に基づき、社会保障充実のために行われるということを踏まえるなら、軽減税率による減収分についての財源手当てもないとするならば社会保障の切り捨てににつながりかねないという批判があった。

これについては、減収分1兆円については消費税で手当てするのではなく、所得税そのほかの税目全体で考えていくべきであり、今後実施時期までに細部を詰めればよい。なおかつ、経済状況の好転による税収の上振れ分も今後十分期待できることから、現時点でその全容を明示しなければならないという必要性は薄い。

また、社会保障の切り捨てにつながらないかという点についても、社会保障改革については法律でやるべきことを明記してあり、そのための財源確保は義務付けされていることから、軽減税率が社会保障切り捨てにつながるというのは全く的外れな論難である。

今後加速する少子高齢化に適切に対応するうえで社会保障制度の持続可能性確保のための消費税引き上げについては、すでに法律で決定されオーソライズされている。

その際当然であるが痛税感を和らげながら実効性のある課税のあり方を考えるべきである。ある階層にとって負担感が重くのしかかるようなあり方はかえって消費を冷え込ませる結果となり、経済好転の支障となりかねない。

その解決策として軽減税率がある。我々は選挙公約として必ず実現すると国民の皆様にお約束したものである。公約の実現。非常に重いものである。

今、野党などから軽減税率の導入に対して税収減という観点からの批判が起こっているが、世論調査の結果を見ると多くの国民が軽減税率に対して必要との見方を示している。

これまでの我々の主張への期待の表れであり、公約実現という政党本来の役割を果たすことは、これまで失われがちな政治への信頼感を取り戻すうえで試金石となるだろう。

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