池田公園は、地元中村町を中心に、新田町、隣の池田自治会連合会に所属する金竹町に接する市内でも有数の緑豊かな都市公園である。
周辺住民のグラウンドゴルフの場でもあり、子どもたちの数少ない遊び場でもある。遊歩道はジョギングやウォーキングのコースとしても利用され、多くの方々に親しまれている。
近年は、中央部にある芝生広場での動物のフンが問題となっており、一時期は犬の散歩を禁止すべきとか専門のパトロール隊を編成すべきといった提案がなされたが、いずれも実現に至っていない。
これとともに、公園に住み着く猫も問題視された。かって無秩序な捨て猫、エサやり等が横行し、一挙に野良猫が増えた時期もある。看板や自治会回覧などによって表立った捨て猫やエサやりは数が少なくなったものの、依然として飼い主のいない猫が数匹公園を根城にしているようだ。住民の中には、自費で去勢不妊手術をしてエサやりをしている方もいたようであり、表立った苦情等は聞こえてこないものの、周辺では糞尿等に悩まされた住宅もあったと推測される。
こうした中、今年初めに県庁の地域猫の取り組みがニュースになり、これを目にした金竹町在住のOさんご夫妻が、中心的役割を果たした笛吹市のボランティアグループ「ノーモア・アーリーキャッツ」に連絡を取り、池田公園の猫についてどうすればいいか相談をされた。
同グループから、公園を所管する甲府市公園緑地課に相談が行き、同課から公園のアダプト管理団体の事務局を所掌している私のところに連絡が来て、2月上旬に3者で打ち合わせを行い、いろいろ課題は見えているもののとにかく試験的にでもやってみようと、話がまとまった。
この取り組みの主眼は、公園に住み着いている飼い主不在の猫を捕獲して保健所等の機関に引き渡すというものではなく、現状の個体数をこれ以上増やさないために、去勢不妊手術を施し、再び公園に帰していくという点である。いわゆるTNR活動といわれる取り組みである。
これ以上不幸な猫を増やさない。そのために繁殖を防ぎ、かつ空腹のあまりゴミ集積場を荒したり、民家の庭先で悪戯をする、といった「迷惑行動」を防ぐために、限られた人による定期的な餌やり、専用トイレの設置による糞尿の管理など、周辺住民の協力を仰ぐ中で、「地域で育てていく」という「地域猫」の取り組みへと昇華させていく。
簡単にいえばこのような取り組みだが、これまで野良猫による被害を蒙ったと感じている住民も少なからずおり、地域の理解を得るという作業にしばしば困難が伴う。
4月上旬に自治会の組回覧を通じて、こうした取り組みへの参加者を募るとともに、4月5日夜に確認されている7匹を捕獲、去勢不妊手術をして再び公園に帰した。
現在1名の方が仲間に入ってくれ、エサやりと周辺の掃除等を始めた。また、公園の一角に専用の砂場トイレを市の協力で造り、何とかスタートしたが、先日トイレが悪戯され、まだまだ理解をいただくにはいばらの道だな、と実感している。
実際、ボランティアを募集したその日に「捕獲して保健所に引き渡すべき」との半ば苦情の電話をいただいた。要するに今いる猫が問題なのだから処分すべき、という主張である。
が、それでは問題の解決にはならない。今いる猫がいなくなっても次から次へと新たな猫が出現するということは容易に予測される。
問題は、無責任にペットを飼育し、子どもが生まれて困って公園に捨てていく行為、無秩序に餌やりをし、繁殖させる行為、こうした人々の意識の転換を図ることだ。
動物愛護法が改正され、ペットに対する責任を明確化してから数年が経つ。殺処分ゼロを目指して各地で取り組みが生まれている。共生社会の構築が求められるのは言うまでもない。
池田公園の取り組みは始まったばかりだ。これから地域の方々の理解を広げるためにも取り組みを誠実に進め、またその情報をこまめに地域に発信していくことが大きな課題だ。とにかく前に進めなければ、と思う。