甲府市議会は議案提出されている平成28年度の各会計別決算について、19日から決算審査特別委員会が付託を受けて連日審査している。
決算は議会が議決した予算について、執行機関がその目的、趣旨通りに執行し、いかなる成果をあげたかをチェックするものであり、議会側としても自分たちが議決した予算が適正に使われているかを検証する意義をもつ。
甲府市の場合、予算と同様、特別委員会に付託して集中的に審査を行う方式を採用しており、決算審査特別委員会は14名の委員で構成されている。
決算審査特別委員会は26日まで審査を行い、最終日の審査終了後に認定すべきか否かを採決によって決し、その結果を本会議に報告して最終的に認定すべきか否かを「議会」として決する。
これまで、何回か触れてきたが、予算にしろ決算にしろ、執行機関から議案として提案されてきたものについては、議会という組織としての意見を求めてきたものであり、決して「議員個人」の意見を求めてきたわけではない、ということがあまり意識されていないことが実感される。
毎回、委員長から質疑については「重複を避け」と留意事項が読み上げられるのは、議会という「組織として」審査しよう、という至極当然のことを言っているのであるが、まったく形骸化している感がある。
中には、勉強した成果のお披露目の会ではないかと錯覚しそうなこともあり、また、議員間のやり取りは制度上ないため、発言委員と執行機関のやり取りをひたすら聞くしかないような状況も生まれる。
本来、執行機関への投げかけは「質疑」であり、読んで字のごとく「疑義を質すこと」である。不明な点を質問して明らかにし、当不当を判断する材料にすることである。
最終的には議会という組織の意見として議案に対して答えを返すわけだから、執行機関に対する質疑は必要最小限に留まるはずなのだが、質疑の範疇を超えて、自己主張の場と化す場合も少なくない。
議会が執行機関と並んで2元代表制の一翼を担う機関であるとするならば、「機関」と呼ぶにふさわしいあり方をもう少し考えるべきである。
機関の意思決定といった場合、その内部での熟議、討議が当然前提となるべきである。現行制度はこの点が決定的に不足している感が否めない。これは、現行制度の一つの限界を示すものだろう。今の制度は議決と言っても個々の議員の意見の単純集合に過ぎない。
先進事例の中には、委員の分担を決めて分業制にして審査をするところもあったと記憶している。これは、膨大な事務事業を限られた時間の中でひとりで全部審査することは到底無理という発想が根底にある。
議会という組織の意見を求められているのだから、こうした議会内での役割分担は当然議論されていい。今後の議会制度研究会の中で早急に議論の俎上にのせるべきである。