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政策サイクル研修

11月24日(金)午前中12月定例会提出案件の説明会に出た後、東京日本橋のコレド日本橋に向かった。

日本生産性本部が主催する「地方議会における政策サイクルと評価モデル」研究会に参加するためだ。

地方議会の役割について、議会基本条例を発端として2元代表制の一つの機関であることを十分理解したうえで、いかにして住民の批判にあるいは期待に応えていくのか、いくつかの先進的な議会が手探りで苦闘してきた歴史のいわば現時点での集大成が「議会による政策サイクル」の取り組みであろう。

これまで議会改革のフロントランナー的な地方議会がより一層「議会の役割」を深く掘り下げて取り組む一つの方向が議会自体がPDCAサイクルを回しての政策提言機能を前面に押し出したのがこの政策サイクルといえる。’

伝統的な議会機能といえば真っ先に浮かぶのが執行機関の監視、チェック機能だろう。これは別の見方をすれば執行機関の提案を受けてこれを審査する「受動的」な立場である。

政策サイクルといった場合、議会が市民からの様々な要望、意見を集約してこれを政策に高め、「議会として」執行機関に提案していく「能動的」な立場と言える。

よく言われるところであるが、地方政治は2元代表制という、首長も議会もそれぞれが選挙で選ばれる制度である。だが本来執行機関と対等であるべき議会は執行権を持たないゆえ、どうしても首長と比べると役割的に見劣りされがちである。

これが住民から「議会が役に立っているのか」というあらぬ誤解を受ける一因となっている。

だが、よくよく考えると首長が予算や事業を執行したくても、必ず議会に提案してその議決を経なければできない。その意味で議会は非常に大きな力を持っている。執行部にとって議会の対応を誤るとその政策執行に大きな支障を生ずることとなる。

ここまでくると、議会自体が自ら民意をくみ取りその福祉の増進のために政策を取りまとめ、これを執行機関に逆に提案していくという形は2元代表制のもとでは議会の本来的な役割であるということが出来る。

ただこの政策サイクルが議会改革という文脈で語られるのは、恐らく本意ではないだろう。政策提言機能は議会が直接選挙で選ばれてくる以上、議会の本来的な機能である。

ただ自治法等の法体系ではこの点は必ずしも明確に規定されているわけではないことからこれまであまり意識されなかっただけだ。議会基本条例の制定以降多くの議会がこのことに気づき法規範化して自律的な活動をより明確化した。

こうした動きを可能にするのはあくまでも構成員である個々の議員が自分の所属する議会が単なる議員の集合体、あるいは会派の集合体ではなく、「一つの組織」であることを深く自覚、理解していることが大前提である。

わが甲府市議会はまだこうした意識が共有されているとは必ずしもいいがたい。政策提言も個々の議員、あるいは会派のばらばらなものの域を出ない。

これが、「議会」内部で大いに議論をし、様々な妥協・譲歩を繰り返しながら全体として合意形成が出来上がった政策であればそれは執行部にとってももはや無視できない大きな力を持つことは容易に想像できる。

議会が本来合議制の機関であればもっと議会内での議論が生まれてもよく、議論を通じた合意形成という民主的な手続きがより充実する。

本市の議会の当面する大きな課題は、こうした議論を通じた合意形成を実現するために、議会の本来の機能というものに対する議員の理解と、市民の期待が「議会」という組織に寄せられるものだということの理解が不可欠だ。

先進議会が条例を制定し、議員間討議を導入し議会報告会を実施している意義は、どこまでいっても市民の負託に応えうる「組織としての議会」を明確化しているということだ。政策サイクル研究会に参加するのは実はこの点にある。

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