平成30年1月25日から26日まで会派公明党の先進地視察を行った。
今回は、以前八王子市で偶然見せていただいた子どもの室内遊び場について、今後の子育て支援施策を考える上で参考にすべく、栃木県小山市の「キッズランドおやま」と同県足利市の「キッズピアあしかが」の両先進施設を視察研修した。
1月25日は小山市の「キッズランドおやま」である。同施設は、JR線小山駅に隣接する「ロブレビル」5階に入居しており、立地条件は申し分ない。
同ビルはもともと1994年に大阪市の総合スーパー「イズミヤ」が建設し、核店舗として「イズミヤ小山店」を出店したものの2015年に撤退し、その資産は実質的に小山市に譲渡された。
核店舗の撤退とともに多くのテナントが撤退し、各フロアに空床が多く発生した。実質的なオーナーとなった小山市の努力により、ドン・キホーテの再出店やダイソー、さらに昨年11月にツタヤが出店するなど出店も回復している。
こうしたテナントの再出店の動きを後押ししたのは、何といっても「キッズランドおやま」ではないか。
商業施設の撤退は地元に大きな衝撃を与え、通常はより大きな商業施設の誘致に血眼になるだろう。そして結局は頓挫し、廃ビルになることが多い。
小山市は市長が結婚から妊娠・出産まで切れ目のない支援をという強い方向性を打ち出しており、その視点から雨の日でも遊べる室内遊技場をという子育て世代の要望を受け入れて同施設を設置した。
子どもの運動能力の向上という観点から独自の遊具を使った室内遊び場を多く手掛けている(株)ボーネルンドのプロデュースのもと、管理運営主体を公募し、その結果保育園や介護施設等を経営している社会福祉法人洗心会があたることとなった。
ロブレビル5階の600坪という広大なスペースに小山市から遊具等の初期費用150,000千円、運営費補助として毎年事業費の5分の4(50’, ‘000千円を限度)を受けている。
オープンは平成28年5月で、1クール90分で利用料100円/人を徴収している。1クールの定員は250人で、施設の職員が6名で指導等にあたっている。
利用者は6か月から小学生以下の子どもと必ず保護者同伴、保護者1名につき子ども3人までという規定となっている。
遊具の構成は、ボールプールゾーン、アクティブゾーン(全身運動)、サーキットゾーン(3輪車コース)、ロールプレイゾーン(「ごっこ遊び」)、ベビーゾーン、絵本コーナーとなっており、それぞれがクッション等により、転んでもけがをしない構造となっている。
利用者は2年弱で35万人を突破、関心の高さを示している。特に駅に直結しており、雨の日でも利用できる点、ビル内に多様なテナントがあり、一度に用事が済む点、子どもとともに大人が必然的に足を運ぶため、周辺に再び活気が生まれている点など、相乗効果を生んでいる。
施設は当面5年間、洗心会により運営されるが、単体での経営はおそらく苦しく、法人全体でのカバーがあって初めて成り立つと思われる。この点は、「社会福祉法人の社会貢献」と割り切っているものと思われ、志のある担い手でなければ到底困難だろう。
(‘また、商業施設の撤収による地域の活力の低下を解決するために本来の商業ビルにこうした子育て施設を入居させるという点は、首長の強いリーダーシップがなければ実現困難である。結果として子育て支援が空き店舗解消による活力の回復という相乗効果が生まれたのは、時代の要請もあってのことだろう。
さらに特筆すべきは、初期投資と運営費の補助に多額の市費が投下されている点であり、費用対効果の検討はおそらくされているだろうが、最終的にはこうした多額の経費を投入してもなおかつ必要な施設だという強い意志が感じられることである。
と同時に、施設を取り巻くテナント群の存在があって全体として活気が生まれ、恐らく施設単体だけではこうした活況は生じなかっただろうし、また、施設がうまく核施設になって周辺の活気に好影響を与えていると思われ、「施策の総動員」がいかに子育て支援分野では必要かを如実に示していると思われる。
担い手、場所、周辺の施設、トップの強い思い、これが重要なファクターになることを今回の研修で改めて学ばせていただいた。