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自分事として

台風24号は甲府市でも強風による倒木や飛散物による窓ガラス被害等をもたらしたが幸いなことに今のところ人的被害は報告されていない。

9月議会の代表質問でもふれたとおり、国土の脆弱性とリスクを背負いながらの日常生活ということがまさにぴったりとする感がある。

これまで以上に減災という考え方からいかにして被害を最小限に食い止めるか、がますます求められる。

これまでの大規模災害等を通じて我々が学んだことは、災害はまさに今この瞬間我々を襲ってくるという臨場意識と我々の安全確保の主体はあくまでも我々自身だという当事者意識である。

10数年前にこうした見方を示すと、ありとあらゆる反発を受け、バッシングされただろう。住民の安全確保の責任は政治、行政にあると疑いもなく言われていたからだ。

しかしながら10年という時の経過は、こうしたパラダイムの転換を可能にした。特に東日本大震災以降大きな災害が後を絶たず、自助・共助により困難を乗り越えていかなければならないという主張がようやく日の目を見た。

初当選以来、一貫して「自分たちの手で」という考え方を訴え続け、地域における主体者という意識、当事者という意識の覚醒を呼びかけてきたが、開府500年という歴史的な節目を迎えるにあたって、改めて地域自身が自分たちで出来ることを、という形で事業の企画提案が募集されていることに、大きな意義を感じているのは私だけではないと思う。

その趣旨は、開府500年を自分たちはこういう事業を行うことによって荘厳したいという地域や団体の内発的取り組みを促すことにある。市や実行委員会が主体となって実施する事業は、既に関係組織によって具体的に検討されている。

その中心は甲府というブランド、知名度を内外に発信するところにあるだろう。

これに対して、地域や団体が取り組むべき事業は、本来的には自分たちが議論し合って企画立案し、自ら実施することが予定されており、こうした取り組みに多くの地域住民が関わることにより、住民相互のつながりを一層深めることにある。他にやらせるのではなく、自分たちがやることが重要である。

全てが「自分事」として開府500年をとらえること、これをきっかけにして次代へと持続可能な地域をつなげていくこと、こうした意識に市民一人一人が経つことが期待される。

何事も自分のこととしてとらえ、例えばそこに横たわる課題をどうしたら解決できるか、という発想に立つべきである。最近、京都府綾部市の「水源の里」の取り組みによって限界集落と言われた集落が見事に元気を取り戻した状況を紹介した書籍を読了した(蒲田正樹「驚きの地方創生 限界集落が超☆元気になった理由」扶桑社新書)。

大事なことは地域の課題を「自分事」として正面から受け止め、その解決のために、地域がいかに主体的に取り組んでいくかである。他への依存意識から脱却できない地域はおそらく衰退へと向かっていくだろう。
県内一橋大学OBの皆さんと 県内一橋大学OBの皆さんと