10月2日、甲府市議会は本会議を開き、平成30年度の各決算について認定すべきものとし、閉会した。
今回は中核市移行、また令和になって初めて登壇した議会であり、意義深いものとなった。
既に重点的に取り組むべき政策について昨年12月に公表し、今後の議会質問の方向性を明示して質問に臨んだ。6点の質問・提言すべてに積極的な答弁があり、改めて、現状認識→課題抽出→課題解決に向けた自身の思い→解決策提案、という一連のストーリーを理路整然と組み立て主張することが議会質問の基本であることを再認識した。
主張をコンパクトにまとめるのは議員にとって最低限のスキルである。これは様々な書籍を精読したり、思索したりすることを日々行うことにより誰でも習得できる。問題はこうした努力を惜しむか否かである。
中には自身の研究成果を全て披瀝して文章を構築する人もいるが、冗長になりすぎて聞いていて飽きてしまうことが多い。要はいかに当局の心をつかむかだ。反論の余地のないほどの組み立てをすることだ。
そして、常に政策の芽を感じ取るための「気付き」の感性を研ぎ澄ませることだ。小さな声を聴きとることが出来ても、そこにどんな政策課題が隠されているのか、これに気づくことが出来なければ、政策が生まれる余地はなく、まったく役に立たない聴く力となってしまう。
今回のがん検診の申し込み方法の「オプトアウト方式」への提言は、発想の転換をすることによって受診率向上が期待できるとして、市長から是認され、恐らく次年度からは実施に移されるものと思われる。何より納得が得られるような政策提言であったのは、ちょうど健康都市宣言を行おうという時に符合したものであり、早期発見ができれば疾病も克服できるというこれまで繰り返されてきた主張に角度を変えた論拠を示したことによるものだ。
健康都市宣言は共産党の反対により全会一致とはならなかったが、この宣言を中核市スタートの甲府市の歴史に残る宣言にしようと敢然と賛成討論に立った。
主張内容は既報のとおりであるが、議場は静まり返った。この感覚はあの特定秘密保護法廃止の請願への反対討論に立った時以上のものとなった。反対論を完膚なきまでに論破した、と多くの議員、また当局からも大喝采を送られた。
議会は言論の府である。構成員である議員は選挙で選ばれ、多様な民意を背負って登場してくる。いろいろな考え方を持つ事自体は決して否定しない。だが、こうした多様性を容認しつつも、最終的には「決めて」いかなければならない。
時間無制限に議論を続けていっていいわけがない。議論をし、最終的にはお互いが譲歩し「妥協点」を見出す努力をしなければならない。この意味で言論の府である議会は「議決機関」である。この点を無視して「少数意見の尊重」を持ち出す勢力が一部にあるが、少数意見の尊重は少数意見の「丸のみ」では決してない。この多様性の時代、自分の意見だけが100%通るはずがなく、何らかの譲歩は必ず生ずる。明らかに主張が誤りである場合は別であるが。
今定例会の結果は、議会だよりやHPで広報されるとともに、来月初めて開催される議会報告会でも市民に報告されるだろう。市民に対する説明責任は一人ひとりの議員が負っている。気を引き締めなければ。