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議会基本条例制定へ始動

議長として初めての定例会が9月25日に閉会した。

9月11日には、議長マニュフェストのとおり「議会基本条例特別委員会」が設置され、来年6月の基本条例制定を目指して始動する。

特別委員会の正副委員長、議会局職員には、いわれているところの「議会改革」の内容を徹底して議論したうえで、甲府市議会として「何をするか」を条文化してほしいこと、条例制定は「ゴール」ではなく、議会が2元代表制のもとでの「機関」として機能を発揮するための「ツール」に過ぎないことを再確認してほしいことを伝えた。

もともと、現行の制度が時代の変化に即応せず、制度疲労状態にあると考えたことから、議会の機能充実を課題提起してきており、議長選では改選等により構成が変わってもゆるぎない法的基盤を作るための条例制定の提案であった。

これまで初当選以来3期12年、地方制度が国政と異なり、「2元代表制」を採用しているというものの、果たして議会が「機関」として機能しているか、という自問を続けてきた。

議会が「議決権」という重要な権限を有していることの意識を果たしてこれまで何人の議員が自覚して行動してきたか。疑問の余地なしとしない。

執行権を持つ首長に対する機関としての対応は、これまで制度目的を実現するほどのものであったかどうか。その疑問と解決策の提示が議長マニュフェストである。

一番の課題が、議会の機関性の確立である。

現状の議案審査、決算、予算の審査等を見ると、これらの議案等は執行当局から「議会」へ提案されるものであるから、その回答としての議決は当然議会という機関から当局になされるものである。

議案等の審査はほぼすべてが所管委員会でまず行われる。その過程を示すと、まず当局から議案等の内容説明があり、次に委員から「質疑」が当局説明員に対してなされる。

注意すべきは「質疑」というのは読んで字のごとく、「疑義を質すこと」であり、疑義が解消されれば質疑は目的が達成され、当然そこで終了すると誰もが考える。しかし、現状はそうではない。

当局との質疑のやり取りが終わると、「こうすべきだ」「こうしてほしい」という「要望・意見」が委員個人から当局になされるのが通例となっている。

これまでずっと感じてきた違和感はここにある。すなわち、議案審査は議会が「機関として」行うべきものであり、当局に対して「注文」をつけるのも「議会」であり「議員個人」ではない。

たとえ審査の場で議員個人から要望・意見が出されても当局を拘束するものではない。なぜならそれは委員会全体で「了」とした「議会として」の意見ではないからである。

その大きな原因は委員会における「議員同士の議論」の制度、いわゆる「議員間討議」の制度がないからである。議案質疑が終わって当局抜きで委員だけで議案の取り扱いを議論すること、そうすれば最終的に可決するにしても「付帯決議」で議会から当局へ注文を付けることが可能となる。これこそが「機関」対「機関」の地方制度のあり方ではないか。

こうした「議員間討議」の制度導入は今後の議会の機能発揮の上で第一に実施すべき事項である。議員間討議の制度なしでは議会の機関性は残念ながら否定される。

特に決算審査、予算審査での「審査機能の充実」は議会改革の一丁目一番地である。およそ「審査」といえるためには、「審査基準」があり、これに照らして可否を判断するという審査の方法が明確になっていることが必要である。

例えば市民の側から議決したことの理由を問われたときに、こうした審査を行った結果可決した、といった「議会としての説明責任」を個々の議員が果たすことが容易になる。そのために議長マニュフェストに掲げたものである。

もう一つの大きな柱は、議会の政策立案・提言機能の充実である。市民との意見交換会の定着と頂いた様々な要望意見から「政策」の芽に「気づき」、政策へ高めていくという新しい時代における議会機能を確立しようというものである。

(‘議会が首長とともに「市民福祉の増進」という組織目標を持つ以上、議会としての政策決定、ないし関与が令和新時代、中核市時代にますます求められる。その自覚を構成員たる個々の議員が持つべきことは時代の要請といえる。

特別委員会が、まず議会の基本的機能から議論を積み上げていくことを心から期待する。