現在地方議会改革は基本条例制定から一歩進んで執行機関との間の「機関競争」「善政競争」のステージに進んだとされている。
議会と執行機関がともに「住民福祉の増進」を目指して「政策」上の競争を行おうとするもので、議会側からは、住民との意見交換会等を通じて把握した住民意見を起点に、「政策サイクル」を作動させるというものである。
前回意見交換会がいかに重要かについて述べてきたが、政策サイクルを作動させるためには、そこからどういう政策課題を見出し、これを政策に高めていくか、が重要である。
議会がこうした取り組みを行うためには、個々の議員の資質向上はもちろんのこと、「機関」として対応していくための「議員間討議」は必置の制度である。
そもそも、現行制度のもとでは議員同士が討議しあうことは規定がなく、予定されていない。
現状常任委員会、決算・予算特別委員会の議案審議をみると、個々の委員対当局という「個人戦」の様相を呈している。当局から議案の趣旨説明を行い、これに対して委員から当局への質疑を行い、その後採決という流れとなっている。委員からの質疑では、疑義を質す「質疑」の域を超えて「意見」「要望」が混在することが極めて多い。
しかしよく考えてみると、「議案」は執行当局から議会に提案され「議会の議決」を求めるものであって、決して「個人の意見」「個人の要望」を求めてはいない。あくまでも議会という機関の意見を求めているものである。
こう考えると、機関である議会としての回答(すなわち議決)をするためには、議会内での話し合い(討議)をしなければならないことは自明の理である。だが現状そうはなっていない。だからこそ「議員間討議」は議会が機関として機能するうえで必置の制度と言っているのである。
特に予算、決算という議案審議のなかで最も重要な特別委員会では現行制度の欠陥が明白だ。質疑も要望、意見もすべてが委員個人対当局という図式である。提出された予算案、決算案に対して、議会としての意見を付することが不明確となっている。
本会議の委員長報告を見ていると、「○○という意見があった」という表現をよく目にするが、それは委員会としての意見なのか委員個人の意見なのかほぼ不明である。これでは、執行当局はどう対応していいか困惑するはずである。個人の要望ならば、議会でもっと集約してからぶつけるべきと考えるのが一般的である。
このように「議員間討議」の制度は議会が機関として機能するうえで必置の制度であることを共通認識すべきである。