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議会基本条例始動(その1)

6月定例会で可決成立した甲府市議会基本条例が7月12日施行された。合議制の機関として作動するためのいくつかの制度を規定しており、運用上の細かい詰めを議会運営委員会に託された。

9月定例会を間近に控え、早急に決定すべき事項8項目について8月5日午前10時から議会運営委員会を開き、正副委員長案を提示した。以下順に状況を追っていく。

1 最初に条例第4条に定める「議員間・委員会討議」制度の運用についてである。

常任委員会や予算・決算特別委員会での議案審査にあたって、これまでの議員(委員)対執行部といういわば「個人戦」的なやり方を改めて、議案の取り扱い(可か不可かや要望的意見など)を委員相互の議論により決めていこうという合議制機関としての「当たり前の」やり方に変えていこうというものである。

議会が本来「話し合いで」物事を決めていく機関であるはずなのに、議員同士の話し合いは残念ながら制度として実施されてこなかった。だから提出された議案に対して「いいか悪いか」という2者択一の選択しかなく、注文を付けるということが出来なかった。この点が議会は追認機関にすぎないと批判される点である。

しかも、これまでのやり方では、当局による議案の説明のあと、委員による当局への質疑が行われる。質疑は本来疑義の解消にとどまるべきだが、なぜか議案に対する賛否の表明や要望が当局に対して当たり前のようになされる。こうした意見や要望は委員一人一人が個別に当局に対していうべきことではない。当然委員会で集約して「委員会として」意見・要望すべきものであるが、話し合いの場を設定していないためにこうした首をかしげざるを得ない事態となる。議員(委員)間討議の制度は、こうした「質疑」と「意見・要望」を峻別するという狙いもある。

決して堅苦しく考えるのではなく、「議案について委員会としてどう取り扱うか話し合う」時間ととらえるものである。なかには話し合うまでもなく明らかに可決すべきという案件もあるかもしれない。この点で委員間討議の発議を誰がすべきかという議論も考えられるが、どんな案件でも質疑終了後に必ず委員長から「取り扱いをどうしようか」という投げかけを行うのが妥当である。そこに議案の取り扱いについて委員会としての協議がなされたという軌跡が残せる。

この議員(委員)間討議の制度は、当然予算・決算という議案を審査する特別委員会でも適用になる。質疑と意見要望の混同はむしろ予算・決算特別委員会の方が顕著である。後述する予算・決算特別委員会の審査のあり方改善とも連動するが、こうした点のほか、はたして「審査」の名に値する審議内容かという点、総合計画や次の予算・決算との連動性の希薄さ、など、税金の使い道を検証するという重要な使命を果たしていないといわれても仕方のない状況がある。

これまで、合議制の機関としての使命を果たすために議員間討議はマストの制度であると繰り返し主張してきたのは、これまでのあり方への懐疑と反省からである。議会基本条例の施行は甲府市議会が合議制の機関へと脱皮する大きなきっかけとなる。

2 次に、条例第11条の請願者・陳情者に対する説明機会の付与である。主に請願について考える。

これまでは、請願については紹介議員が署名の上質問日初日までに提出することが義務付けられていた。受理されれば質問日最終日に委員会付託がなされ、通常翌日ないし翌々日に委員会が開催されそこで審議される。請願の趣旨説明等は主に紹介議員が担っていた。

基本条例では請願者が説明機会の付与を求めた場合、委員会の判断で説明機会を与えることとしている。条文前段では請願を「政策提言として受け止め」とし、憲法で保証する請願権に対して最大限のリスペクトをしている。

説明機会を付与するか否かを決定するためにはこれまでの日程では対応困難なため、提出期限を早め委員会当日までの時間的余裕を確保することで議運で合意形成が図られた。細部の詰めは次回までに提示することとなったが、審査順序をどうするか、何分の時間を与えるか、質疑応答をどうするか、などの論点が考えられる。いずれも、憲法で保障する請願権であることや条例の書きぶりなどから考えると請願者に最大限配慮した運用をすべきこととなる。

3 3点目に条例第14条の質問内容等確認権である。

これについては特に目新しい論点はなく、議員の質問等について当局からの趣旨の確認ということである。ただ議員提案の条例についていつの時点で確認権を行使できるか、が問題となりうるが、権利を振りかざすというイメージではなく、杓子定規に考えるべきではない。要は条例案をより良いものにするための論点の提示や示唆ととらえ、適切な時期に行えるよう議会側で運用を柔軟に考えていくべきである。

4 4点目に条例第15条の議案説明資料の提出要請である。

これには、総合計画との関連を常に意識した議案審査とするために、提出議案の概要書の提出を求めようというものである。

従来は委員会当日に説明資料が委員に配布されるのが一般的であったが、これらを含めて議案提出時に同時に提出を要請するものである。当局に過重な負荷をかけないかといった懸念を示す向きもあったが、議案説明するためには当然すでに作られているはずだと主張して了解していただいた。

予めこうした概要書を添付させることによって、内容の把握が容易になり、あえて質疑する手間が省けると考えられる。その分委員間討議に時間が割けることとなり、より双方向の議論が深まる効果がj期待される。決算審査では、総合計画の主要事業実績書と決算書の目ごとの内訳書の添付を時間的な制約もあり今回の定例会に限って要請することとした。

8項目中の前半4項目について概要は以上のとおりである。次回後半4項目について記していく。

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