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9月定例会閉幕

9月2日に開会した甲府市議会9月定例会は9月29日、令和2年度決算の認定を始め、追加提案された5億円余のコロナ対策事業費補正予算、副市長辞職に伴う新副市長の人事案件すべてを可決し閉会した。

今定例会は何といっても議会基本条例施行後初めての定例会であり、基本条例で規定している、委員間討議、総合計画に照らした議案審査、次年度予算への反映を内容とする決算審査特別委員会の意見の集約など、市議会史上前例のない取り組みがスタートする極めて重要な定例会であったということだ。

決算審査特別委員会の振り返りから、今後の議論のためにいくつか論点を指摘していきたい。

1 まず、審査の基準なりポイントが不明確である。これはだれが審査をするのかという点と関連する。毎年決算審査特別委員会は14名の委員で構成するが、一人ひとり視点がバラバラで、質疑を聞いていても何を明らかにしたいのか不明な質疑が多い。委員会が審査するというのであれば、あらかじめ審査の基準なりポイントを示して、各委員がこれに沿って質疑を行う方式に改めるべきである。これにより、事前に質疑事項を委員間討議で決めておけば、ムダと思われる質疑もなくなり、真に必要な質疑に絞ることが出来ることとなり、審査の質が高まる。

2 現行の委員ごとに発言時間を与えてその時間の範囲内で質疑を行う方式は、その時間は他の委員は何もできない。発言を許された委員が「委員会のために」という観点から質疑を行えばいいが、たいていは「自分の主義主張のため」に貴重な時間が使われているのが現状である。自分の審査に参考となる質疑であればいいが、そうでないあまりにもバイアスがかかりすぎている質疑もあり、また、もはや質疑ではなく自己の意見主張に終始する場合も多々ある。実に時間がもったいない。個々の委員が事前に担当課に聞き取りに行くという方式をこれまで採用していたが、議会直前の忙しい時期に個々バラバラに来られても当局にとっては迷惑な話だ。先進自治体議会で、分科会方式を採用して、分担してヒアリングにより審査を行っているところもある。これであればもう少しつっこんだ議論も可能になるが、なぜか本市では採用されていない。

3 今回委員会討議により執行に関する注文という意味で委員会意見を集約したが、議案の審査結果とあわせて委員長報告として本会議に報告された。本会議ではこのうち議案の可否についてだけ諮られ採決されたが、連日遅くまで議論して集約した委員会の意見については諮られず、本会議で議会の意思決定に至らなかった。およそ議会が意思決定を行うためには、必ず本会議でどうするか、諮らなければならない。委員長報告に書いてあっても、それは委員会という本会議から審査を委託された議会の一部門から発注者である本会議への報告に過ぎず、本会議で決定しなければ議会の「意思決定」ではない。だから前述の委員会意見は本会議で決定されなかったために、執行当局へ議会の決定として送付することはできなくなってしまった。

4 特別委員会では最終日に、「討論」「採決」を行って議案に対する委員会の態度を決定する。が、各委員の審査結果の表明の場はどこに求めたらいいのだろうか?「討論」はこれまでの感覚だと代表選手により賛否をそれぞれ表明してもらう場であり、それ以外の委員は表決のみである。しかし表決に至った理由も示さずいきなり表決というのもなんか変である。それなら最終日の表決の時だけ来て表決だけすればいいという極端な結果も容認されてしまう。審査内容を明らかにして、表決に至った理由を説明できないとしたら審査に落ち度があるといわれても仕方がない。だから、今回やむなく討論の場を借りて審査結果を明らかにして認定という結論を出した理由について縷々説明した。最後のまとめの段階で委員間討議で各委員に議案に対する態度とその理由について発表し合う方式の導入も必要と考える。

以上は今回の決算審査特別委員会を通して改善の議論をすべき論点として提示する内容である。

いずれにしても組織としての審査をより強く打ち出すべきであり、機関競争という点から委員会討議をもっと充実させるべきである。今後の議論に期待したい。

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