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2021年会派視察(4)~姫路市~

11月12日 視察最終日の午前中に姫路城の迎賓館にて姫路城を活かした観光施策について市の担当者からご説明をいただいた。

姫路城については5年前の総務委員会の行政視察の際訪れ、テレビドラマのタイトルバックに使われた城であることを知り、また大改修直後ということもあって、改めて世界遺産としての存在感に圧倒されたことを覚えている。姫路城では改修工事も何百年に一度のものであることから、工事そのものを観光資源として見学に供していたことを今回知った。

今回観光施策としての姫路城について改めてご説明をいただくことで、前日の神戸市同様コロナ禍での観光の目指す方向についていろいろな示唆を受けた。

姫路城という世界遺産がこれまで大きなけん引力となって、コロナ以前に策定された観光戦略プランでは、年間の総入込客数の目標を1000万人に置き、そのうち、姫路城の外国人入城者数を年間40万人以上に設定してきたが、コロナにより総入込客は令和2年度は目標の4割弱、外国人入城者数は実に2%にとどまっている。こうした状況から、市では国内需要を喚起するための観光資源の磨き上げを令和3年度の主要施策に位置付けている。

まず、魅力ある地域づくりを目標に、①DMOを核とした観光地域づくりを目指し、先日姫路観光コンベンションビューローをDMO本登録したこと、②体験型・滞在型観光の充実のため、姫路城の歴史体感プログラムの実施、忍者を活用した体験型ナイトイベント、市立美術館でのアートプロジェクトの展開、③姫路城の夜間照明デザインの刷新、を実施している。

また、観光資源の価値を高める取組みとして、①近隣観光地・姉妹都市との連携、②日本遺産を通じた連携、③平和学習の推進、特に修学旅行の誘致などを実施している。

コロナ真っ只中の昨年中の観光施策としては。宿泊業者への緊急支援金の給付、宿泊割引クーポンの発行や市内の施設、飲食店、土産店等で使える割引クーポンの発行などのほか、姫路城への誘客を図る事業や、コロナの影響で記念行事ができなかった方を対象にした姫路城での記念撮影などを内容とした、思い出づくり支援事業など知恵を絞った事業を展開している。

また、バス会社と連携し、オープンバスや豪華バスを使ったバスツアーなども企画、姫路城がロケ地として何度も使われていることに着目したロケ地ツーリズムなども推進しているなど、いかにして世界遺産を中心とした観光資源を使いきっていくか苦心している状況がみてとれる。

姫路城ではベテランのガイドさんに細かく説明していただき、日本の木造建築の水準の高さを改めて実感するとともに、巨大な城壁をどのように工事していったのか、重機もない時代での筆舌に尽くしがたい労苦がしのばれる。

神戸市もそうだったが、姫路市でもDMOを観光推進の司令塔として多様な関係者を巻き込んだ観光地域づくりを今後の重要な方向としていること、また、データ等の収集・分析を通じた戦略策定と効果的な施策の展開に注力していくこと、さらに国、県、他のDMOと連携した効果的なプロモーションの実施や、着地型コンテンツの磨き上げによる幅広いニーズへの対応なども力を注いでいくとしている。

コロナが収束に向けた方向へ一歩進んでいるとしても、ニューノーマルは今後も引き続き要請されることが十分予想されることから、一層の安心・安全・衛生等の確保を行いつつ、デジタル社会へも対応するためにキャッシュレス決済への対応の一層の促進、AR、VRなどを使った魅力の創出、観光DXなどの取組みの推進の力を入れていくとしている。

こうした点は、本市観光施策を考えるうえで有益な視点となる。特に現状の観光資源の再発見と磨き上げの視点は、よく言われるように地元では気が付かず、よそ者の視点でとらえると実の魅力的な資源であるということがざらにあることから、ないものをねだるより現実的な解決になりうることを改めて訴えていきたい。