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2元代表制の地方制度の理解を

今日の地元紙掲載の甲府市政2期目の検証記事は、議会基本条例制定をリードし、中核市時代にふさわしい議会のあり方を提言してきた立場からは、議会の基本的機能や本会議とは?という根源的な理解がはたしてあるのだろかという強い疑念を抱かざるを得ない。

記事は冒頭で、昨年9月定例会本会議での核兵器禁止条約批准に関する見解を求めた質問に、担当部長が答弁したことに対して、市長の考えを聞きたいといって「再質問」した件を取り上げている。部長答弁に対する再質問は、当該部長が最初の答弁を繰り返すのが通常だが、この時は市長があえて登壇し、「先ほど担当部長が答弁したとおり」と明快な答弁を行った。

記事はこの市長の対応が不満なようだが、残念ながら本会議での質問と答弁の意義についての基本的な理解を求めたい。本会議での質問戦が通告制を敷き、執行当局内部で慎重に時間をかけて答弁内容を検討、協議して最終的に「当局の」見解として本会議で答弁するものである。これは部長が答弁しようが市長が答弁しようが当局の機関意思であることに変わりはない。本会議での質問は「議会」という機関から発言を許可されて「執行機関の見解」を質すものであり、決して市長の個人的見解を求める場ではない。これが2元代表制の機関対機関の関係である。

先の市長答弁は市長以下執行機関の幹部で練られた十分な答弁であり、機関意思は示されている。たとえ再質問したところで答弁内容が変わることは絶対になく、逆に変わったとしたら重大な責任問題となる。これまでも再質問、再々質問のあり方について、度々問題となり、現在会議規則で定められている質問回数は3回まで(つまり、再質問、再々質問まで)という運用を持ち時間がある限り何回でも、という方向での提案が議会運営委員会で継続協議となっている。(これも実に時間の無駄の協議だった。)

しかしながら本会議のもつ重要な意義を少しでも理解していれば、いったん出された答弁が何回も質問すれば内容が変わるなどということはあり得ない話であり、それほど本会議での発言は重いことを考えるべきである。何回も質問すれば議論が深まるなどという向きもあるが、それは再質問、再々質問の意味を取り違えているとしか言いようがない。再質問は最初の答弁がこれまでの市政運営理念と明らかに食い違っている、とかいわゆる「答弁漏れ」の場合に限って認められるべきものである。再々質問も同様である。答弁者が市長ではなく部長だったからという理由では再質問の要件は満たさない。

また、市長が自分の色を出していない、との論及もあったが、はたしてそうだろうか?別に擁護するわけではないが、「子ども最優先のまち」を公約の一丁目一番地に掲げ、子ども施策に特化した子ども未来部の創設、子ども未来プランの策定、屋内遊び場こどもらんどの設置、子ども未来応援条例の制定など、我々の提言も取り入れながら未来への投資を独自に着々と取り組んでいる。国がようやく子ども庁の設置や子ども基本法の制定の議論をスタートしたことに比べてすでにだいぶ先を走っている。これこそ独自色ではないか?このことにあえて触れずに特定のコメントだけを引用するのはいかがなものか?

現市長は、子ども最優先という、未来への投資を具体的明確に公約として打ち出した。甲府市政上初めてのことである。記事はこうしたことは全く無視して、とにかくアラを探して叩こうという醜いマスメディアの習性が見え隠れする。お粗末な記事である。

極めつけは、昨年12月定例会本会議での私の代表質問に対する市長答弁が「市長選をにらみ公明党に配慮した内容だ」という「市議の間で広がっている憶測」という形でのコメント引用である。議事録が市のHPにアップされているので参照していただければと思うが、実に失礼な内容である。

質問は未来への投資の一環として、子ども医療費の無料化の対象年齢を現行の中学3年生から高校3年生まで拡大することを求める内容である。ただこれまでの他会派の質問のように、窓口無料を実施している自治体への国からの国庫補助減額措置の問題に触れずにやみくもに市に対して対象年齢の拡大を求めることはせず、2015年の参議院本会議でわが党の山口代表がこの国庫補助減額措置の軽減を質問したことをきっかけに緩和されたことを取り上げ、わが党だけがこうしたボトルネック解消の努力をしており、なおかつ昨年の衆院選マニフェストで高校3年生までの医療費の無料化を公約として掲げたことから、実現可能性という点から対象年齢の拡大を提言したものである。あるNPOの調査で公約実現率が8割を超える公明党だから必ずや国庫補助減額措置の撤廃を実現するという期待感がある。

こうした理詰で質問を組み立てて提言したものであり、答弁が選挙前の単なるサービス、という陳腐な内容では決してない。要はいい質問にはいい答弁が返ってくる。ただそれだけの話である。「質問力」の当然の結果であり、質問力を磨くために日々自己研鑽を怠っていない。質問力では申し訳ないが誰にも負けない自負がある。

地方制度は繰り返しになるが2元代表制である。国の議院内閣制と違って、議会の多数派が行政権を握るわけではなく、首長、議会それぞれ別個に選挙で選ばれる。だから「与党・野党」などという概念は地方制度にはない。中核市となり、昨年ようやく議会基本条例も制定されたからこそふさわしい議会に脱皮することが一層求められる。そのための基本的な議会制度の正しい理解は欠かせない。

これは議員だけでなく、マスメディアの記者ももう少し勉強してからものを書いたり発言すべきということを言っている。あまりにレベルが低くて呆然とする。

この子たちに恥ずかしくないようにしなければ この子たちに恥ずかしくないようにしなければ