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3月定例会閉会

3月24日甲府市議会3月定例会が予算特別委員会で審議した令和4年度当初予算などを可決して閉会した。

今回のトピックは第一に何といってもわが党が提案してきた高校3年生相当までの医療費無償化の実施予算を含む当初予算について、共産党が反対したことだ。

反対討論を聞いていたが、彼らの主張によれば、これまで何回も訴えてきた高校3年生までの医療費の無償化について実施のための予算が計上されたのは歓迎するが、コロナ禍での市民生活への支援がまだ不十分ゆえ反対だ、という趣旨らしい。

しかしその主張は全く理解不能というほかはない。支援が不十分というなら、どの部分がどのくらい不十分でどうすれば十分なのかを具体的に指摘して予算の修正動議をかけるのが正道である。でない限り単なる個人の感想の域を出ず、取り上げるレベルではない。

予算全体に対して反対をした結果になっていることは、とりもなおさず彼らが長年「要請してきた」といっている「高校3年生までの医療費の無償化」の予算に反対したこととなり、結局同事業そのものへ反対したこととなる。あれほど高校3年生までの医療費の無償化を、と声高々に言っておきながらいざ実施に向けた予算には反対する。全くもって理解不能である。彼らは自ら高校3年生までの医療費の無償化を否定してしまった。これは紛れもない事実として議事録に永遠に刻まれることだろう。

その高校3年生相当までの医療費の無償化自体も彼らの主張に当局が応えたものでは決してない。彼らがいくら本会議で主張しても当局は首を縦に振らなかった。わが党が昨年12月定例会で国庫補助減額措置の解消をわが党の代表が国で取り上げ、解消の努力をしていることに触れながら、財源部分にまで踏み込んだ質問をしたことに対して、市長が制度設計の指示をしたというのが真相である。

議会でいくら取り上げたところで、本会議における合意形成にまで至らなければ実績にはならない。合意形成にまで至ったのはいったいどの党か?改めて記録にとどめておく必要がある。

トピックの第2は、オンライン本会議を可能にするための地方自治法の改正を国に求める意見書について、耳を疑うような反対意見があったことだ。

近年、住民自治の深化という観点から、議会が持つ機能が改めて見直されてきた。住民の代表である議会が予算や条例に対して「議決」を与えないと当局の行財政執行はできない。それほどまでに議会が議論をして議決するということは重い意味がある。

東日本大震災以降、庁舎や道路などの被災のみならず、議員自身も被災する可能性などから、議場に議員が参集できない場合を想定した議会版BCPの策定が遡上に上っており、また最近では新型コロナウィルスの感染爆発から、議員が感染した場合のみならず、濃厚接触者認定により、登院できない場合が容易に想定され、ややもすると議員が参集できず定足数不足から議会が流会になる恐れも指摘されている。

特に濃厚接触者に認定され、外出自粛になると議会に登院したくてもできないという、議員の本来的使命にも及ぶ由々しき問題が発生する。また妊娠、出産、介護などで議会に出席したいが自宅を離れられないといった場合も想定される。こうした場合に議場に来なければ欠席というあまりにも理不尽な仕打ちでいいのだろうか。

最近、茨城県取手市議会のデモテックという画期的な取り組みで注目を浴びている。簡単に言えば、オンラインで議会の会議等を行うというものである。コロナ禍をきっかけとして、テレワークやリモート会議などオンラインで会議等が十分対応できることが明らかとなっており、本来議論をする空間である議会が、その議論をする機会を各議員に付与するためにオンラインを活用するというのは自然の流れである。

取手市議会のご努力で、委員会審議はオンラインでも可という回答が国からあったようであるが、本会議については、「議場に現在すること」というのが法で定める「出席」の解釈であるとして、オンラインは不可とされている。

これを本会議でもオンラインを可とするよう地方自治法を改正してほしい、というのが今回の意見書案の趣旨である。議場に参集したくてもできない場合にオンラインでの議論をする場を確保するのは、住民から負託を受けた議会として当然であり、反対する者が出るとは夢にも思わなかった。が、反対者が出た。

その反対の理由というのがこれまたさっぱりわからなかった。

曰く、国会でも議論が始まったばかりで地方議会が先行するのは時期尚早である、なりすまし等によりセキュリティに不安がある、妊娠・出産・育児・介護などの場合まで広げるのはいかがなものか、無理して議論に参加させるよりもしっかり休養を取らせる方が価値的、などである。

しかし、これまた首が折れるほど首をかしげても理解ができない。地方分権の一層の進展が要請されているこの時代に国会の動向を気にするといういわば中央集権時代へ逆戻りするような発想が私にはわからない。セキュリティ対策などは技術論であってオンライン本会議を否定する理由にはなりえない。妊娠等によって本人が議会に出たいと言っている場合にまでその願いを却下するのはこれからの時代到底賛同を得られないだろう。本人が出たいと言っているのに「来るな」と言っているに等しい。

これらは、すべて共産党、社民党の反対討論の理屈である。特に社民党の妊娠、子育て、介護で出たくても出られない事例に対して、冷たく、当院不可と突き放す論調には、呆れてものが言えない。

選挙で選ばれて、住民福祉向上のために真摯に議会で議論したいという崇高な使命感に燃える議員の思いにどうしたら応えられるか。答えはすでに出ている。

当然のことながら意見書案は圧倒的賛成多数で可決され、国へ送付されることとなった。今定例会は議会というものを改めて見つめなおすいい機会となった。いまだ「途上にて」である。

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