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甲府市議会に異論あり

6月26日甲府市議会6月定例会が閉会した。これまで何回か請願の取り扱いについて異議を述べてきたが、多くの方のご要望もあり、4年前からの時系列で変節ぶりを会議録を引用しながら整理していく。ただし、議員名は実名をあえて伏せる。会議録にアクセスすれば、容易に判別できるため、実名はそちらで検索願いたい。

(1)発端

令和元年6月定例会に「核兵器禁止条約への日本政府の署名と批准を求める意見書採択についての請願」が提出され、受理される。(紹介議員 日本共産党2名、こうふくらぶ2名)

6月21日総務委員会にて「継続審査」の決定。以後、9月定例会、12月定例会、3月定例会のいずれも「継続審査」の決定。

(2)議会発議の意見書議決

令和2年の年明けに、当時のK議長が核廃絶平和都市宣言をしている甲府市ゆえ、核に関して何らかの態度決定をした方がいいとの意向を示した。これを受けて、会派公明党の代表、議会運営委員会の副委員長という立場の私が、議会発議の意見書の草案作りを請け負った。その際、すでに条約への批准を求める請願が出されていたが、核保有国と非核保有国の対立の状況もあり、条約への批准が核廃絶には直結しないことから、唯一の被爆国日本は核保有国と非保有国との対話の橋渡しを一層進めるべき、との趣旨から、条約の批准をすぐにするのではなく、あらゆる手立てを講じて核廃絶に向けた取り組みを求める内容の意見書にまとめ上げ、議長に提出した。議長からは、これを3月定例会で議員発議で提案する、と承諾してもらった。

3月定例会の最終日に、「甲議第 4号 核兵器廃絶に向けた一層の取組を求める意見書提出について」として本会議に提出され、全会一致で可決された。(意見書はこちら →kougi2-4.pdf (city.kofu.yamanashi.jp)) (※私は妻の東京での手術に立ち会うためにやむを得ず欠席)

(‘(本会議会議録より→/www.city.kofu.yamanashi.dbsr.jp/index.php/5967009?Template=document&VoiceType=all&DocumentID=729#one 中の31~34)

(3)意見書可決後の継続審査中の請願の取り扱い

令和2年6月定例会にて、総務委員会で不採択の決定をし、その後の本会議で不採択が議決された。

(総務委員会会議録より、→www.city.kofu.yamanashi.dbsr.jp/index.php/9728977?Template=document&VoiceType=all&DocumentID=930#one 中の56~62)特に59は「議決の重み」があるから明確に不採択にすべしというもの。→今は重みを感じていないのだろうか。

(令和2年6月定例会本会議会議録より→/www.city.kofu.yamanashi.dbsr.jp/index.php/7774161?Template=document&VoiceType=all&DocumentID=735#one 中の8~16)特に9は、3月の意見書には賛成したが、署名・批准でなければだめといわんばかりで、我が国が署名・批准すれば核保有国へ働きかけをしなくても核廃絶が実現できるかのような討論内容である。

(4)令和4年3月に提出された請願

令和4年3月定例会に、別の団体名で同一内容の請願が提出され、総務委員会で不採択の決定後、本会議で不採択の議決がなされた。

(総務委員会会議録より→www.city.kofu.yamanashi.dbsr.jp/index.php/7964558?Template=document&VoiceType=all&DocumentID=947#one 中の339から345)340は今回の採択に回った会派の前代表で明確に令和2年意見書をもとに不採択にすべしという内容である。また、342は核兵器が一向に減らないから日本は同条約を署名批准すべしという内容だが、核兵器を持たない我が国がいくら批准しても核兵器は減らないという単純な理屈がわからないようだ。さらに、令和2年3月意見書には条約への署名・批准の文言が入っていないから、と意味不明の文言を並べ立てているが、署名・批准ではなく、一層の取組みをということで全員が賛成したことが理解できないようだ。会議録をよく読んでから発言した方がいい。

(令和4年3月定例会本会議会議録より→www.city.kofu.yamanashi.dbsr.jp/index.php/9747129?Template=document&VoiceType=all&DocumentID=781#one 中の17~27)特に18と22は、令和2年3月意見書に署名・批准の記述がないことを承知しながら賛成したにもかかわらず、今頃になって反対しており、批判されるべき姿勢である。だったら当時すでに提出されていた条約の署名批准を求める請願を盾に、なぜ最初から意見書に反対しなかったのか?その説明は全くない。

ここまで、請願については、共産党と社民党以外は全員令和2年3月意見書を是として、請願に対しては不採択の立場をとっている。

(5)令和5年6月に提出された請願

今回の請願である。改選後の会派構成は、政和こうふ10名、政友クラブ7名、公明党4名、こうふ未来4名、日本共産党3名、市民クラブ3名、無所属1名の計32名である。
このうち、前任期からの議員は、政和こうふ8名、政友クラブ6名、公明党3名、こうふ未来3名、日本共産党2名、市民クラブ1名、無所属1名の計24名であり、共産党、市民クラブ、無所属以外の20名は、昨年まで請願を不採択とした議員である。

今回の特異な点は、政和こうふはすべて自民党系であるにもかかわらず、所属10名全員が共産党、市民クラブ、無所属とともに請願の紹介議員に署名している点である。前年まで一貫して請願不採択の立場をとり続けていたのに、何の説明もなく唐突に「意見書」で否定されていた「署名・批准」を推進するという180度態度を変更したことに、あれほど、今批准しても核保有国と非保有国との分断を深めるだけだから対話の橋渡しをすべし、としてきたことと全く整合が取れない態度をとった。

しかも、請願書はその文面を見るとロシアによる核兵器の威嚇があり、日本でも大軍拡が始まって、日本が戦場になる、という表現があるのに、「願意妥当」として署名している。仮にロシアの脅威をいうなら、直接ロシアに条約への署名批准を求めるべきであるし、最もあきれたのは、日本でも大軍拡が始まって軍拡競争がエスカレートして日本が戦場になる、という自分たちの所属政党が与党となっている政権に対するありもしない攻撃的表現を「願意妥当」としている点である。

ここまでして共産、社民と手を組むという理由が全く理解不能である。一体何党ですか、と言いたくなる。ただ多様性の時代ゆえ、どんな意見を持っても否定はしないが、問題は、これまでの考えを捨てて、これまでと全く正反対の態度決定をしたことに議場においても何の説明もしない点である。いやしくも市民の負託を受けているのなら説明責任を果たさないことはあり得ない。私が批判しているのはこの点である。

しかも甲府市議会が何の説明もなく一度出した意見書を真っ向から否定する意見書を出す結果に対して、誰も説明していない。あまりに無責任である。永遠の汚点になることは必至である。やはり、議会改革より議員改革が先決である。

政治的信条に疑問符が付く今回の行動を見ると、その原因はおおよその想像がつく。これまでの4年間、前代表への厚い信頼があったから連携してきたが、予想通り私が最も嫌う政治手法に逆戻りした感がある。やはり、原点となるべきものがなければ目的観が醸成されないというのはまっとうな考えだということが実感される。

繰り返しになるが、核兵器禁止条約の署名・批准が目的となってしまい、肝心の核廃絶の点が全く抜け落ちている点が最も問題である。日本が批准さえすれば、自動的に核保有国が批准してくれるのだろうか。誰が核保有国にアプローチするのか。我が国は批准さえすればあとは何もしなくていいのか。こうした質問に全く彼らは答えられなかった。要は、核廃絶よりも結局条約への署名批准という、本末転倒の結論の不当性に最後まで気が付かない最初の紹介議員17名のみの賛成で甲府市議会の意思が決定されてしまったしかもその場その場でころころと態度が変わり議決の重みなどみじんも考えていないやり方に議会人としての最低限の矜持も見られない。だから異論ありである。

意見書も甲府市議会名ではなく、「甲府市議会有志」にすべきではなかったか。

なお、「3度目の正直」で甲府市議会で請願採択を勝ち取った団体は、直後団体を解散し、立派な報告書を作成したらしい。目的は核廃絶ではなかったようだ。

前回、「甲府市議会に足蹴にされた」と新聞投稿し、今回請願採択され、勝ち誇っているのかと勘繰ってみたくなる。

所詮この程度だ。ただの自己満足の宣伝活動にすぎないと断ずる。