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2023会派視察(1)

7月26日から28日まで、会派公明党で佐賀県、長崎県への先進事例視察を行った。

今回の視察事項と視察先は、(1)がん患者アピアランスケア支援事業(佐賀県庁)、(2)武雄図書館の取り組み状況(佐賀県武雄市)、(3)長崎市役所新庁舎の給水スポット、危機管理対策(長崎市役所)である。以下順に状況を記録しておきたい。

初日の26日午後から佐賀県庁にお邪魔して、がん患者アピアランスケア支援事業について、がん対策全般とあわせてお話を伺った。県へ直接視察研修に行くことはあまりないが、今回の事業は県と市町村が連携して患者の支援にあたるという事業モデルのため、佐賀県担当課に無理を申し上げて実現したものである。同県にはがん対策に特化した「がん撲滅特別対策室」が設置されている点で特筆すべきである。

佐賀県庁も所在する一帯は、佐賀城址であり、その広大さに目を見張る。当時の石垣や堀なども痕跡をとどめており、そこに近代的なオフィスもたたずむといった時の融合ともいうべき不思議な空間といった感じがする。

視察前の時間を利用して、県立佐賀城本丸歴史館を見学し、佐賀藩10代藩主鍋島直正公の偉業が現代までも受け継がれていることを知り、鎖国時代の当時にあって、いち早く西洋に目を向けどこよりも早く近代化に取り組んだその慧眼に改めて感嘆した。こうした歴史があって現在の県政にその理念が息づいている、そんな感想を持った。

がん撲滅特別対策室長さんから、がん対策の全容についてお話を伺ったときに、まず驚いたのは、がん対策を3ステップに区分し、それぞれ、①がんにならないようにする、②がんを早く見つけて早く治療する、③がんになっても安心して暮らせる社会づくり、とステージに応じた施策の位置づけを行っており、1ステップのステージで、肝がんの原因とされる肝炎ウィルスの除去とともに、胃がんの原因とされるピロリ菌の検査・除去を中学3年生全員を対象に自己負担なしで実施している点である。ピロリ菌検査も一般の尿検査で本来捨ててしまう尿を使って検査するというもので、本人の特別の負担なく実施しているとのことであり、納得した。

仮に検診でがんが発見されても、早期に治療することで克服も可能となってきていることから、2ステップでの「検診受診率の向上」を課題に掲げ、イベント等を通じて受診意識の啓発を図ったり、検診の広域対応により、多くの県民が受診しやすくなるような取組みを行うなど、受診の障壁を取り除くことによる一層の受診率向上に努めている。

3ステップの罹患しても日常生活への影響を極力小さくするため、地域統括相談支援センターの運営による相談の充実、患者の就労支援、小児・AYA世代への支援、特に小児患者が県外で治療等を受ける場合の家族の交通費助成制度は、患者家族に寄り添った具体的な支援を行うもので注目に値する。このほか、先端医療費の助成、がん教育の充実などを政策として位置づけ、ステージに応じたきめ細かい支援が体系化されている。

今回の中心視察事項のアピアランスケア事業も、特別対策室の設置からうかがえるように、様々な支援を講じて、がんの予防、また仮に罹患した場合であっても安心して日常生活を送ることが出来るようにきめ細かい支援を実施し、がんの撲滅に向けた強い意志を感じられる事業内容である。

同事業は先行して4市町で実施されていたものを、様々な要望をいただく中で、どこに住んでも同程度の支援を受けられるようにすべきだという考えのもと、県1/4、市町1/4、本人2/4の割合で医療用ウィッグ、乳房補正具の購入経費を負担し、ただ、補助上限を県では1万円と設定している。

私のまわりでも闘病中の方からぜひ助成制度を、という強いお声が寄せられており、6月県議会で公明党の佐野県議が県の助成制度創設の答弁を引き出しており、市議会でも次回取り上げる予定となっている。

いずれにしても今回佐賀県の視察を通じて、大所高所から支援を考えていくという姿勢に改めて大きなご示唆をいただいた。今後にぜひ生かしていきたい。
佐賀県庁での視察研修 佐賀県庁での視察研修