7月27日視察2日目午前は武雄市図書館にお邪魔した。すでに有名となった指定管理者方式による図書館運営である。初めて報道に接したときに、その斬新さとコーヒーを飲みながら蔵書を読みふけることが出来るという、本好きなら一度は体験してみたいと好奇心をそそられる施設である。
まさか図書館が指定管理方式で運営されるとは夢にも思わなかったものである。オープンしてからかなりの時間がたっていたが、どうしてもこれまでの経緯をお聞きしたくて今回ようやく実現した。
午前11時から館長さんの説明をお伺いした。平成12年10月1日に旧武雄図書館が開館、その後平成25年4月にリニューアルした。現在の本館部分であり、図書館ゾーン2,828㎡、歴史資料館ゾーン669㎡、共有ゾーン310㎡という構成となっている。
リニューアル前の課題として、来館者数の伸び悩み、利用者の固定化が指摘されていた。特に、若者世代、子育て世代の利用が圧倒的に少なく、こうした課題の解決のため、本の貸し出しや読書以外での利用の促進を図ることとし、目指す図書館像として、①いつでも利用できる、②居心地のいい、③体験できる、図書館においた。その構想実現のため民間の力を借りることとし、そのパートナーとしてCCC株式会社が選ばれた。
同社が指定管理者となり、図書館と蔦屋書店、スターバックスコーヒーがコラボして、新しい図書館スタイルをスタートさせたものである。これが平成25年4月からの新武雄図書館であり、その後平成29年には利用している子育て世代からの強い要望により子ども図書館を増設した。子連れだとどうしても図書館利用を遠慮してしまうが、そうした気遣いなく図書館を利用できるため、子育て世代の利用も増加している。
目指す図書館像から、年中無休で9時まで開館、カフェを飲みながら書物に親しむことが出来る居心地のよさ、そして図書館で様々なイベントを体験できる、というすべてを満たす取り組み状況となっている。本を読む、カフェを楽しむ、本を買う、数多くの雑誌に出会う、シェアスペースでイベントを体験する。そこに居心地の良さを感じる。この施設にあらゆる要素が凝縮している。
こうした新たなスタイルの図書館に実現の背景には、どうしたら人々を図書館に向かわせることができるか、と考えたときに読書以外での利用の促進を検討したことがある。そして、行政だけでは限界があり、図書館経営では類がない指定管理者制度を導入したことにより、書店やコーヒーショップと抱き合わせというスタイルを可能にした。武雄図書館では本の貸し出し数ではなく、利用者の満足度を指標にしている、と館長さんが紹介してくれた。この点でもこれまでの図書館像を覆す新しい視点がある。
武雄図書館の使命として、地域の「文化・知識」のレベルアップに貢献することにより、住民の「生活の充実・心の豊かさ」に寄与したいとしている。実に示唆に富むあり方と感嘆した。