9月27日、決算審査特別委員会最終日に討論採決が行われ、すべての案件が承認された。29日の最終日には本会議へ委員長から報告が行われ、本会議での討論採決により最終的に議会の意思が示されることとなる。
議会基本条例では、決算審査により明らかとなった「課題」についてはその解決策を翌年度以降の予算に反映させ、これを繰り返すことにより、行財政執行をブラッシュアップしていくことを定めている。PDCAサイクルの考え方である。
ここで重要なことは、この課題抽出から解決策提示に至るまですべて議会の「機関意思」として提示するものであり、けっして「委員個人の意思」を執行当局に個々バラバラに示して対応を要請するものではないということである。
地方自治法上は議会対首長という機関対機関の関係、すなわち機関主義をうたっている。首長は議案を議会という機関に提案するのであって、個々の議員に提案するというものではない。これに対して議会も議決という機関意思を返すのであって、議員個人個人が首長にお答えを返すというものではない。
この議会の機関意思を決定するために「議員間討議」という話し合いのプロセスを経て合意形成に至って初めて議決が議会の機関意思として意味を持ってくる。だから議員間討議は「マスト」の制度と基本条例策定過程で強く主張したものである。議員は一人親方だから、といって個々の議員のいうことに当局も拘束されるという考え方がかってまん延していたが、自治法にどこにもそんな規定はない。こうした誤った解釈を打ち破るのに相当の時間がかかったが、まだ途上である。
今回の決算審査特別委員会では、委員間討議にワークショップ形式を初めて導入した。議論の活発化、柔軟化には大いに効果があったようだ。委員間討議で出された意見を集約して委員会の意見という形で委員長報告に盛り込んで最終日の本会議に報告される。
ただ、委員長報告は本会議から審査を付託された委員会がその結果を本会議に報告するという議会の内部手続きであるため、当然に当局を拘束するものではない。他自治体議会では「付帯決議」や別途議会から当局への提言という形で、当局に対する明示的な意思表示を行うところもある。かって本市でもそのような議論を投げかけたこともあったが、まだ時が成熟していなかったこともあり、もうしばらく委員間討議の制度をこなしてからと妥協した経緯がある。今後の課題として議論の俎上に載せるべきではないだろうか。
決算審査特別委員会や予算特別委員会など重要な委員会では、より機関としての審査を意識した審査方法を考えていくべきであり、往々にして質疑の場がトークショーに終わってしまって、質疑を通じて審査に役立つような情報をなかなか得にくいといった現状を改善すべきと考える。これはおそらく審査のポイント、何をどう審査するのかという点が共通認識されていないからであり、また、質疑の機会を借りて延々と自己主張を繰り返すといった、「質疑」の意味を果たして理解しているとも思えないこれまでのあり方に疑問を挟む議員があまりいなかったことに起因していると思われる。
この点は以前から度々記事にしているように、議案に対する当局への答えは「議会の議決」であり、付随する要望なども「議会の要望」であることが必要ということ、したがって委員会の質疑の時間に個々の委員が結語として「以上要望とします」という発言をするのをよく耳にするが、極論すればこれは単なる委員個人の独り言としかとらえられない。
重要な点は、やはり質疑で疑問点を解消したのちの「委員間討議」の場である。機関の意思決定を行うためには構成員による議論、話し合いが行われることが必要であり、こうした議論を通じて合意形成を図るというのが機関主義の考え方である。基本条例に規定する議会が「言論の場」である、というのはまさしくこのことを指している。今後の議論に大いに期待したい。