甲府市議会は昨年4月の改選から1年余が過ぎ、現在9月定例会の真最中、常任委員会審査が終われば来週からはいよいよ決算審査特別委員会が始まる。
決算審査特別委員会の委員構成は、11日の本会議で委員の選任が行われ、本会議終了後に正副委員長の互選が行われた。通常は委員の推薦ですんなり決まるが、この日は推薦された者が2名いたため、投票により選任することとなった。
6月定例会での常任委員会等の正副委員長選任についても投票による選任が行われたため、今回はそれほどの驚きもなかったが、今後は投票による場合は、なぜ委員長になりたいか、どういう委員会運営をやっていきたいのか、簡単に所信表明をやっていただくのも令和3年に制定した議会基本条例の定める理念、すなわち開かれた議会、透明感あふれる議会に合致するのではないか。
改革を推進してきた我々にとって、ポストはもはや「名誉職」ではなく「責任職」であるべきだ。でなければ、市民の負託にお応えする「役に立つ議会」とは程遠い旧態依然とした議会に逆戻りする恐れがある。議会基本条例制定を境に甲府市議会がこれまでの古い考え方から脱却して、議論を中心とした議決機関本来の機能に目覚めた議会へと変貌を遂げたことについて未だに否定的な勢力が残念ながら存在する。議論を重視するからこそ、議論をうまく引き出す委員長等の役割は益々重要である。私が議長就任の際目指すべき事項として、議員のファシリテーションスキルの向上をあげたのは、こうした意味からである。
かっては、最大会派が議会運営の中心的役割を担ってきた。それは私が令和維新と名付けた令和元年より前の時代の話である。今はどうか。最大会派といえども、「改革マインド」が見られないのであれば、連携はしないことが通例となっている。令和元年の改選期に「議会改革」という共通の目標を持った第2、第3、第4会派が連携し、結果としてあの議会基本条例制定を含む様々な改革が実現できたのである。こうした改革を断行するためには、現実問題として、議長、副議長や主要なポストについては、改革派で掌握する必要がある。こうしたポストは「議会改革」というミッションを帯びたものであり、だからこそ「名誉職」ではなく「責任職」なのである。
昨年の改選期では前期で連携した第2会派が第1会派となって、わが会派に今期議長他の役職について打診してきた。私は、当然のように、議会基本条例制定後のいよいよその運用を本格的に行う大事な今期ゆえ、どのような改革プランを考えているか提示を求めた。しかし、その答えはついぞ返ってこなかった。これが何を意味するか。「先祖返り」そのものと私は理解した。前期で最大会派がヘゲモニーを当然握る時代は終わったと学習したはずであるのに、いつのまにか同じ轍を踏もうとしている。冷たいと思われるかもしれないが、時代の針を戻すことは決してできないゆえ、改革マインドを持った別の会派との連携を選択した。その結果、再び、第2、第3、第4会派の連携による今期の運営体制が出来上がった。
今はせっかくの改革が逆戻りしないようにという水面下の戦いが潜行している。改めて言いたいのは、ポストにつくのであれば、議会基本条例の理念をきちんと理解したうえで何があっても改革を後戻りさせないというマインドを持ってほしいということである。議会が市民の役に本当に立っているのか、という痛烈な問いに常にさらされてきた身にとっては、議論もできないような議会では決して市民からは役に立っているという評価は得られない、と思うからこそこうした改革を断行しているのである。