GT-WKGRG6B7
閉じる

今こそヴァンフォーレの歴史を知りたい!!

病気療養中の状態だったので、ずっとサポーター登録していたヴァンフォーレ甲府のホームゲームに1年近く足を運べていない。自身の議員生活はヴァンフォーレとともにあったといっても過言ではない。ACLという夢のような舞台に連れて行ってくれたのがつい昨日のことのように思える。

今年こそはJ1へと相当の期待を込めてリーグスタートを楽しみに待っていたが、2月下旬に3度目の入院となり、退院した今日まで、聖地小瀬に行くことが出来ないでいる。

この間チームは思い通りの結果を残せず、スタンドからは容赦ない罵声が飛んだと聞いている。しかし、どんな結果になろうと、選手と同じピッチに立っていると思うがゆえに決して罵声を浴びせるようなことは私は絶対しない。特におよそ4半世紀前のあの存続の危機といわれた時期に、歯を食いしばって「今に絶対見返す」を合言葉に仲間とともに耐えてきた我々にとって、存続してくれたチームに感謝こそすれ貶めるなどという感情はわくはずがない。それほどあの存続の危機の時期はサッカーに関わる県内の関係者にとってつらい時期だった。

私も当時県庁サッカー部に籍を置き、現役時代にいくつかの金の思い出を積んできたこともあって、2002年の日韓ワールドカップ前にJリーグのチームがたとえ2部のチームであっても破綻するようなことがあっては水を差すと危機感を募らせた記憶がある。

冬の寒い時期に甲府駅の南口で、存続を呼び掛ける署名活動をやった時に、世間の反応の冷たさに心が折れそうになった。しかも当時TBSの深夜番組で連続最下位のヴァンフォーレが取り上げられ、「Jリーグのお荷物」とまで酷評され、街角で拾ったインタビューの声も、「山梨にプロスポーツなどいらない」とか「成功するわけがない」といった、同調圧力みたいな空気に沿ったコメントしか流れなかった。これが山梨の世論なのか、と持って生まれた反骨心に火が付いた。

県庁ではサッカー部の先輩が中心になって募金活動を行い、結果百万を超える善意が集まり、運営会社に贈られたことを今でも覚えている。ちょうど出先事務所から障害福祉課に異動になった年だった。

こうした動きの一方で、今でも心からリスペクトしている救世主が現れた。当時の山梨県総務部長の平嶋彰英氏である。彼と海野社長がいなかったらおそらく存続はなかっただろうと今でも思っている。平嶋部長とは県庁のシニアチームであるジュネスでともにプレーした間柄でともにピッチに立っている間は部長とヒラという上下関係はない。

平嶋部長は、経営基盤がぜい弱なヴァンフォーレのため、全市町村を駆け巡って、当時斬新なアイディアだった、全市町村ホームタウンという形を成功させた。今でもサンクスデーでホームタウンの自治体がキックオフ前にアピールしているのもこのことがもとになっている。

とともに、存続の条件案を提示し、これがクリアされれば正式に存続が決まるというところまで各層を説き伏せてくれた。確か、3年連続単年度黒字、ホームゲーム観客3,000人の実現、サポーター登録3,000人というある面ハードルが高いと思われる条件だったと記憶している。

小瀬もゴール裏が芝生の時代で、ほぼ毎試合ゴール裏の芝生席で観戦していたのが懐かしい。仕事帰りの方々がスーツ姿で多く観戦していたし、何より何とかしなくては、という危機感を共有していたように思われる。私も時間を見つけて必死に小瀬に通ったし、当時の推しの石原克哉選手の雄姿を見るのが楽しみだった。

こんな多くの熱い思いを持った12番目の選手といわれる「サポーター」に支えられ、見事に存続の条件をクリア、晴れてJチームとして存続が決定した。その後J1昇格も経験し、一昨年のACLも経験した。だから、ヴァンフォーレ甲府には、よくぞ存続してくれた、と感謝の念でいっぱいである。

最近救世主の平嶋氏とFBでやり取りをさせてもらっている。氏のすごいところは、国の官僚の身でありながら地方の立場に寄り添った政策を展開してくれたことにもある。自治体の財政担当経験者なら聞いたことがあると思う「補償金免除繰り上げ償還制度」、これは政府系資金を借りたときの足かせとなっていた、繰り上げ償還したくても将来の利息分まで耳をそろえて払わなければ事実上認めない、といった内容の制度を利息の支払いを免除するという画期的な制度である。このおかげで低利子の資金への借り換えが可能となり、地方負担をどれだけ軽減したか計り知れないものがある。

総務省の事務次官まで昇り詰めてもおかしくない氏に一度東京のセミナーでお会いしたことがある。確か税務局長の時だったと思う。その後政治家に正論を直言して理不尽な措置を受け、病気も発症したりして波乱万丈の人生を今おくっているようだ。こういう人物だからこそ波長が合う。本物の人物だと私は断言する。だから彼をリスペクトしてやまない。

最近のコメント

表示できるコメントはありません。