関係のない他人のプライバシーを勝手に暴露したとして訴えられた甲府市議に対して、政治倫理審査会での審議の結果、本人に対する警告と誓約書の提出を求める内容の答申を議長に提出していたが、12月9日の本会議終了後、議長から本人に対して警告及び誓約書の提出を求めた。(本日の地元紙の記事)
私も政倫審の委員として、審議に参加したが、当初から一貫して、甲府市議会議員が関係のない第3者のプライバシーを暴く行為は、甲府市の公益、甲府市民の福祉の増進にとって必要のないものであり、政治倫理基準に抵触すると主張した。
今回の原告は甲府市に対して何の害悪をもたらす存在ではないのに対して、市議は「女性スペース」を守るための議員としての主張だから「許される」と考えているようだ。
しかし、原告のようなトランスジェンダーはいずれ女性スペースを侵害する恐れがあるからあらかじめその属性を明らかにして、警戒を呼び掛けるといった、単に「恐れ」のあるというだけでプライバシーを踏みにじる言動は極めて危険だ。その昔、刑罰論で学んだ「予防拘禁」の考え方に通ずるもので人権侵害の危険性が極めて強い。
本人はせっかく設けた弁明の機会も蹴って、自己の行為のみが正義だといわんばかりに、今回の警告も無視するらしい。甲府市民の税金から報酬をいただいているという自覚は残念ながらゼロのようだ。税金を納めている市民はすべてが市議の支援者ではない。反対の立場の市民もいる。それを無視して自己の独善的な主張を繰り返すのはいかがなものか。
議会も議長以下断固とした態度を示す必要がある。