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地方議会で今最も求められること

地方制度はこれまで何回も触れてきたように、首長と議会議員がそれぞれ選挙で選ばれる「2元代表制」といわれる。国の議院内閣制のように、議会、特に下院の多数派が行政執行権を握るものではなく、したがって、国のように「与党」「野党」という概念はない。

住民福祉の向上のための様々な政策や施策、事業の執行権は首長に与えられるが、独断専行を認めたものではなく、もう一方の住民から選挙された議会に議決権を与え、この議会の議決がなければ事業等の執行はできない仕組みとなっている。

2元代表制が予定しているのは、議会という機関に対して首長の提案する議案について議会内部でしっかりと議論し合い、そこから議会全体の合意形成を図り、「機関の意思」としての議決をせよ、ということである。議員は議会の構成員に過ぎず、議案も議会に提案されるもので、個々の議員に提案されるものではない。だから、個々の議員が委員会等の審議の中で、議案について自己の要望、意見を主張しても、それが議会内で合意形成され議会の意見としてオーソライズされない限り、ただの個人の感想である。

地方でも首長与党とか首長野党などという誤った認識がいまだにはびこっているようだが、「首長与党」だからといって課題があった場合に議論も十分しないまま、議案に注文を付けずに「丸のみ」するようなあり方は、2元代表制にそぐわない。こういうあり方が、「追認機関」と揶揄される大きな原因となっている。

我々が「議論を通じた合意形成」と言っているのは、立場の違いがあっても徹底的な議論の末に「落としどころ」を見つけて合意形成までもっていく、という議会の本来のあり方を主張しているだけだ。でなければ、議会が「話し合いの場」であるとか、「言論空間」であるといったことは、識者には申し訳ないが、幻想にすぎない。

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