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いよいよ始まる予感

亀屋座写真

4月19日午前9時30分から、甲府城南側エリアの核施設となる「こうふ亀屋座」のオープニング式典が行われた。甲府は武田信虎公が甲斐の府中として開いて以降、本県の政治経済の中心地として発展してきた。

特に隆盛を誇ったのが江戸時代柳沢公が治めていた時代と言われ、今回の甲府城南側再開発の基本的なとらえ方が、「小江戸甲府」という江戸に匹敵するほどの隆盛を誇っていた時代に焦点を合わせ、ここを未来にわたってのまちづくりの原点として後世に伝えていく、というものであるようだ。

落成した亀屋座は当時の芝居小屋を基に現代に即応する施設内容となっており、周辺の小江戸甲府花小路の整備と併せて、当時にタイムスリップした錯覚を味わう空間となっている。

芝居小屋の復興といえば、11年前甲府が豪雪災害に見舞われたときにちょうど子育て支援先進地調査で会派視察を行った際に視察地の山鹿市に「八千代座」という老舗の演芸場が老朽化して多額の改修費用を賄いきれないとして、地元から市に寄贈された歴史を知った。もともと地元の旦那衆がお金をを出しあって建設されたものであり、歌舞伎などで有名な役者が何回も使った由緒ある演芸場である。郷土の誇りともいうべきこの八千代座を放置すると取り壊しの憂き目にあいかねない。何とか改修費用をひねり出して存続を図ろうといううねりに似た情熱を持った山鹿市老人クラブ連合会が募金活動を始め、わずか2か月間で500万円を集めた。その呼びかけは八千代座の瓦1枚のオーナーになろう、というものだ。これがもととなって、山鹿市が5万枚の瓦を葺き替え、改修後芝居小屋では全国3番目となる重要文化財の指定を受けることとなる。

ここに私が常に主張する「自分たちのまちは自分たちで」というまちづくりの思想が凝縮されている。ふるさと愛に裏打ちされている

八千代座の事例を思い起こすたびに、いまや当たり前のようにふるさと愛が飛び交っていることに感慨を深くしている。亀屋座は一角に給水スポットが設置されている。市役所、観光案内所に続いての設置は、ここをゴールとするのではなく、まちなかを歩きまわるときのマイボトルへの給水をイメージすべきである。車による通過から歩きによるまちなか再発見が狙いであり、いよいよ訪れる人それぞれのまちなか「回遊」のルートが点から線へと輪郭がはっきりしてきた感がある。

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