2月20日~22日の日程で、宮崎市、日向市、小林市を訪れた。初日は宮崎市のみやざきアートセンターを視察。中心市街地活性化の目玉施設として、国道10号線沿いの市街地再開発ビルの2F~6Fを取得して、平成21年10月に開館したものである。
市街地活性化の核施設として、市民が参加するアートを基本コンセプトに、人の流れを生み出そうとしている。鉄道網の未発達からか、宮崎市は圧倒的に車社会である。そのため、宮崎市の中心街はJR宮崎駅からかなり離れた位置にある。
国道10号線沿いに商店街が形成され、その背後には飲食店を中心とする繁華街がある。夜はかなりの賑わいだという。表通りには中心街にみられがちな「シャッター街」はほとんど見られない。
アートセンターには、5つの機能が付加されている。単にアートを鑑賞するだけではなく、子供から大人までが「創造」に参加できる場としてのアトリエ、市民同士の交流の場としてのサロン、また、自分たちの作品を展示発表するスペースなど、市民が気軽にアートに親しめる空間づくりに成功している。当日、小学生の絵画作品の展示をみたが、質の高い作品が圧倒的に多いことに驚いた。
この市民参加型の施設という点は大いに参考となる。街なかで一息つける空間は絶対条件であるうえ、例えば、子供たちの作品展示を通じて親たちが足を運ぶことが期待され、賑わいの創出につながる。また、ライブラリーに学生たちが集まる。とにかく人の流れを作り出す仕掛けが、中心街活性化には不可欠であることから、核となる施設に様々な機能をもたせ、様々な人が足を運ぶようになれば、おそらく周辺の商店街にも自然と人が流れ込むのではないか。
アートセンターの工藤マネージャーは、こうした基本的な点を押さえて、まちに人の流れをつくろうと懸命に努力している。街の活性化という「公益」を第一に考えている。こういう人的資源こそが中心街の活性化を成功させるカギを握ることを再び考えさせられた。甲府の中心街活性化を考える場合、こうした「私益」より「公益」を考える担い手の登場が不可欠であるとの感をますます強くしたところである。