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1票の格差是正法案の行方

衆議院小選挙区の1票の格差を是正するための区割り改定法案が衆議院を通過した。これまで各地で選挙無効の訴訟が提起され、最近では違憲かつ選挙無効の判決が下級審で出されている。

民主党政権時代に、いわゆる0増5減の小選挙区の区割り改定が与野党で合意され、安倍政権の今国会で法案提出、審議となっているものである。その考え方は、まず1票の格差を是正することを先決問題とし、しかる後に抜本的な定数削減、選挙制度改革を行っていこうとするようである。

これまで、1票の格差の是正については国政選挙のたびに指摘され、立法府の怠慢を司法の場で厳しく指弾されてきた。ここに来てようやく法案提出が実現し、格差是正に向け前進している。

しかしながら、衆院での審議の経過をみると、はて、と首をかしげたくなる野党の態度である。簡単にいえば、抜本的な定数削減に踏み切っていないからNOだと。前政権時代の合意はどこに行ってしまったのか?

これでは、まったく振出しに戻ってしまう。そもそも定数削減は国会議員の数がこれでいいのかという問題であり、民意反映方法としての選挙制度改革とセットで議論されるべき問題である。それぞれが抜本的な改革案をもっているかというと必ずしもそうではない。身を切る改革にはこれまで議論百出で到底合意点に達してこなかったことをみると、早急な実現可能性はほとんどない。

今、ここで抜本的な定数削減を持ち出すのは、「立法府で議論している」というアリバイをつくって時間稼ぎをしているとしか思えないほど、違憲・無効判決がでている現状への切羽詰まった危機感が微塵も感じられない。

0増5減法案は、こうした現状への対応方途であり、これにより格差是正を行った後に、抜本的な改革を議論すべきと、2段階での対応が現実的である。その意味で今後の参院での成熟した審議を大いに期待しつつ、推移を見守っていく必要がある。

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