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給与削減条例~なぜ賛成やむなしだったか?~

前回の続きとして、給与削減条例になぜやむなく賛成したのか、を具体的に考察し、その真意を明らかにしたい。この条例案に反対した場合にどういう不具合が生ずるか、「政治」の世界において先を見通した判断をしなければ、議員としての生命線というべき「政治的主張の一貫性」が貫けないことを知っていただくためにも、ここに留めておきたい。

まず、給与費をめぐる甲府市の本年度の当初予算の点からみていく。今回の交付税削減が確実に行われそうだということが、昨年度すでに明らかになっていたことから、歳入面では交付税削減額を「減額計上」しているようだ。

これに対して歳出面での給与費は、給与条例に基づいて所要額を積算しなければならないから、減額前の額で計上しなければならない。

交付税削減がなければ、給与費の財源充当はスムーズに行うことが出来たところを、交付税減額分だけ一般財源が不足するから、基金等の取り崩しを行って財源手当てするか、あるいは、他の事業を取りやめてその財源を給与費に振り向けるかしなければならない。最も危惧していたのは、必要な事業を保留して、その財源を振り向けているのではないか、という点である。

交付税は一般財源でどの事業に使ってもいい財源であるゆえ、その削減は給与費だけでなく一般会計全体に影響が及ぶ。給与費削減条例の提案理由で「交付税削減の影響等を踏まえ」と言っているのは、このことを指しており、端的に言えば、給与削減を行わないと他の必要な事業が実施できなくなるという影響が出るということをいっている。当然の提案理由である。

そこで、給与削減自体を行うことの可否が焦点となる。当然、職員の生活設計に大きな影響がでる、士気の低下、結果としての行政サービスの低下の懸念、民間への影響や景気への悪影響など、反対の理由がいくつか挙げられている

しかし、これらは交付税削減がない場合にはあてはまるかもしれないが、交付税が削減され、しかも国からも給与削減要請がされている状況下では、にわかには同調できない。

賛成せざるをえないとしたのは、(1)交付税削減に異を唱えるも給与費削減に踏み切る自治体が増えてきている中で、削減を行わないとすると批判の対象にされかねない、(2)国家公務員との給与格差を示す「ラスパイレス指数」から、国の給与水準を上回る自治体は「財政に余裕がある」とみなされ、補助金や交付金などの面で不利になる恐れがある、(3)給与費を削減しないと他の市民生活のための事業が財源不足から実施できない恐れがある。 などである。

特に(2)、(3)はいわゆる3割自治といわれる財政基盤の弱い自治体にとっては致命的である。こうしたことを比較考量した結果、現実的な対応として賛成、という結論を出したものである。地方交付税が交付されない「不交付団体」(財政力豊かな団体)であれば、国の要請を蹴散らすことはわけもないが、悲しいことに甲府市は財政力がまだまだ脆弱である。だから断腸の思いで賛成としたのである。

さて、条例案に反対しなかった理由はこればかりではない。

今回の給与費削減条例の成立によって、本年度の給与費は4億1千万円不用になることが確実となった。この分は市民のための他の事業に振り向ける必要がある。例えば、今喫緊の課題である、老朽化した社会インフラの整備、いわゆる防災・減災事業に充当することが時代の要請である。

おそらく今後の議会で、給与費の4億1千万円の減額及びその浮いた財源を市民生活に必要な他の事業に振り向ける「補正予算」が提案されるだろう。その場合、条例に反対した立場からは、補正予算に反対せざるを得なくなる。給与費の減額に反対すれば、その分の財源が「浮かない」ことになり、従ってその財源を他の事業に振り向けられない結果になる。結果、市民生活に必要な事業の新規計上に反対せざるを得なくなる。これだけは避けたい。給与費減額だけ反対してその浮いた財源を使っての他の新規事業の計上には賛成するというのは、整合性が全くない対応となる。

整合性のある対応をしているかどうか。今後の動向を注意深く見守ることは、議会に対する市民の信頼を高めるうえできわめて重要である。

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