国会は26日会期末を迎える。今国会で注目された法案に、一票の格差を是正するいわゆる「0増5減法案」がある。同法案は言うまでもなく、これまでの衆議院選挙で一票の格差が是認しうる限度を超えたことにより、司法の場で憲法違反の判断が繰り返され、最近では選挙無効の判断が下級裁判所でなされるなど、これ以上放置できない状態を解消するためようやく提出されたものである。
わが山梨も「5減」のうちに入ることから、法案の行方を注目してきたが、衆議院通過後参議院では一向に審議に入らず、60日間放置され、結局24日に「みなし否決」とされ、衆議院の再議決により、ようやく成立した。
参議院では野党がより抜本的な定数削減、制度改革を主張して、法案審議に応じなかったという。しかし、野党間でもそれぞれの主張に大きな開きがあり、とてもまとまる状況ではなかったようである。
そこには、参議院選に向けた党利党略の「アリバイづくり」が見え隠れする。定数削減をとってみても、小選挙区を減らすのか、また比例定数を減らすのか、主張がバラバラであり、選挙制度改革にいたっては、少数政党と多数政党で考え方が異なり、とても今国会で結論が得られるには程遠い状況であった。
与党は、まず違憲判決が出ている一票の格差を早急に是正すること、その後に十分議論して抜本的な改革を、と主張してきた。格差是正を最優先に置くべきと主張し、これは今国会で必ずやり遂げるべきと繰り返し野党に呼び掛けてきた。
しかし、参議院では一向に審議入りせず、結局参議院の「意思」は示されぬまま、衆議院の再議決で「0増5減」法案は成立した。
いまだに成熟した議会制民主主義とはほど遠い。送付された法案を審議すること、そして徹底的に議論すること、しかるべきのちに意思決定をすること、これが彼らの第一義的の仕事であるはずだ。そのために高い歳費をもらっているのではないか。これでは何のために2院制をとっているのか、根本的な疑問が国民の間に生じかねない。,
どんなに立派な制度であっても、これを動かす人間に資質に欠ければ不幸な結果をもたらすことを証明しているようなものだ。今度の参議院選は日本の議会制民主主義の成熟度を問う試金石になる。どこが仕事をしているのか。誰が国民のため、また国の将来のことを真剣に考え行動しているのか。厳しく見つめていかなければならない。