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総務委員会行政視察(1)~一宮市~

10月23日午後、総務委員会の視察初日は愛知県一宮市にお邪魔した。調査事項は、まず、「市民が選ぶ市民活動に対する支援制度について」である。

この制度は「市民税の1%を市民活動の財源に」という市長選のマニュフェストから生まれたそうで、すでに千葉県市川市で実施されている制度がベースとなっている。

一宮市の制度は、18歳以上の市民の投票数に応じて申請事業への支援額を決定するというもので、個人市民税額の1%に相当する額を18歳以上の市民の人口で割った額を1人当たりの「投票額」としている。

投票は、1人3団体までとしているが、1団体のみ投票する場合は持ち分額の全額、2団体だと半額づつ、3団体だと3分の1づつとウェイトをつけ、その合計額が支援額となる。支援する団体がない場合は、基金へ持ち分額を積み立てるという選択もある。いずれにしても、市民に人気が高い申請事業は支援額も多く獲得できる。

一宮市が制度を導入した理由として一番大きな点は、これまでの支援制度のもとでは、特定の層にしか効果を及ぼすことができず、「市民活動」への関心を広く市民の間に呼び起こすことがなかなか出来なかったという点である。

新しい制度では、「投票」という形で、市民活動に関わることが可能となり、これがきっかけで活動に具体的に参加する市民が生まれてくることが期待される。市では活性化ということを、「多くの人の知るところとなり、関心を引き、巻き込むこと」と考えており、そのインセンティブとして投票制度を導入した。

ここには、甲府市のほぼ倍の人口を擁する中核市としての苦悩があるように思われる。市民活動の活性化は、いってみれば地域づくりに汗を流す担い手の拡大がカギであり、その最初の端緒はやはり、地域づくりへの「関心」を呼び覚ますことだからである。

むろん投票制度には課題も見える。ポピュラーな団体や、組織的に基盤がしっかりしている団体などは、多くの「票」を獲得するのが容易だろうが、それ以外の団体は「票」の獲得が困難な場合も多いに違いない。こうした課題を解決しながら、より充実させれば大いに効果を発揮するのではないか。

市民活動への支援制度でもう一つ「地域づくり協議会」への一括交付金制度についてもお話を伺った。

これまでの地域団体への活動助成は、特に甲府市などもそうであるが、行政の担当事業ごとに直接該当団体へ個別的に助成を行ってきた。これは、「地域全体へ」というより、「地域内の個々の団体へ」助成するものである。

これだと、地区内の団体が個々ばらばらにその団体の目的に限った活動に対する助成の域を超えることが出来ず、地域全体でその課題に対応するための活動については助成が困難であった。

一宮市はこうした「縦割り」の補助の弊害を排するため、「地域づくり協議会」を町内会の連合体である「連区」内に新たに組織化し、地域全体への課題に対応するために、この協議会へ「交付金」という形で助成し、その使途を協議会に委ねることとした。

この制度の優れている点は、地域全体の課題解決を地域に委ねることによって、これまで個々バラバラの地域活動を「地域全体でことにあたる」方向に転換させ、地域の「まとまり」を強めることが期待できる点である。地域自らがまず「考える」姿勢へ促すことにより、地域の自立をサポートする狙いがある。

一宮市の2つの市民活動への支援制度の研修を通じて、改めて、基礎自治体がいよいよ「地域」に焦点を当て、地域の足腰を強くすることに本腰を入れることが、少子高齢化社会という社会の構造的変化の時代に立ち向かううえで何より重要であることを改めて実感した。

コミュニティの再生こそが今後の自治体経営のなかで重要な課題となることは間違いない。
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