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会派行政視察~群馬県太田市(その1)~

視察2日目の11月6日、朝霞市から電車を乗り継いで前日夜、太田市に到着した。市内のビジネスホテルに宿泊し、視察は先方の都合で6日午後1時からとなっていたので、ホテルに荷物を預けて、郊外の「ぐんまこどもの国」に行ってみた。

さながら森林公園のような広大な敷地にサマーボブスレーやパノラマチェアをはじめ、芝生広場にはアスレチック設備があり、大人から子どもまで楽しめるテーマパークである。

見学中も小学生や保育園児などが何組も遠足にきており、天気も良かったため、伸び伸びと歓声を上げながら走り回る姿が見られた。園内の管理を担当している職員の方にたまたま行き会ったので、しばらく話を伺った

山の中腹に湧水の池があり、そこから流れ出る小川は水量も水質も抜群にいい。戦国時代には金山城が難攻不落といわれたのは、この豊富な湧水があったおかげといわれている。かの太田道灌も攻めることをあきらめたほどで、籠城に不可欠な「水」が絶えることなく湧き出たことがその最大の要因だという。

芝生広場の管理で苦労していることはなんですか、との問いに、秋の落ち葉拾いを真っ先にあげた。また捨て猫にも頭を痛めているといわれた。餌やりをする人に困っているそうである。犬を連れての散歩は禁止しているそうであるが。いずこも同じ悩みを抱えている。

こうした自然に親しめるスペースは市民だけでなく県民にとって貴重な財産である。子どもにとって、また子育て世代の親にとっても一日過ごすことができ、しかもそれほど経費も掛からない。

さて、午後1時前に市役所に到着し、最初に「1%まちづくり事業」について研修した。
この事業は、現在の市長が当選する際にマニュフェストに掲げたものを具体化したもので、H17に周辺の3町と合併したときの新市構想に「まちづくり基本条例」の策定が義務付けられたことと関連し、その実践事業としてスタートする当初の予定であった。

合併を機に10年間で職員を400人削減する行政改革方針をかかげ、その削減額を1%まちづくり事業の財源に充当しようという考えがあったようである。「1%」というのは市民税の1%相当をいい、おおむね3億2千万円ぐらいになる。職員削減による人件費削減額がおおむねこの額に見合う額のようである。

事業のスタートは合併スタート時を予定していたが、その根拠となる条例が、公募委員が大多数の審議会の熱心な議論もあって成案の仕上げに時間を要したため、ほぼ1年遅れとなった関係で、H18からのスタートとなった。

すでに総務委員会の行政視察で愛知県の一宮市の「1%まちづくり事業」の視察をしたばかりであったため、概念自体はよく理解できた。当初市長の考えは、太田市にある16地区に、1地区2千万円を「枠」として交付し、各地区に自由にまちづくりに使ってもらう、というものであった。使い道を地区に考えてもらうことにより、より住民自治に近づけよう、という趣旨である。
最終的にこの考えは実現しなかったものの、納税者である市民側に地域コミュニティの活性化を条件に、納税額の1%をまちづくり事業のために「保障」する制度として実現した。

採択基準をみると、①住民と行政の協働事業であること、②地域コミュニティを活性化させる事業であること、③特色あるまちづくりを推進すること、④住民自らが考え行動し汗を流す事業であること、とされている。

特に④は納得させられる。汗を流さないところに助成はしない、と明確にうたうことで、安易な「金の無心」を排除している。地域活動を促すことにより地域を「元気に」していこうとする理念が読み取れる。

平成18年からの決算状況をみると、おおむね毎年3千万円台で推移している。市長からは、これでは「0.1%まちづくり事業ではないか」と叱咤されるそうであるが、継続して実施している事業も多数ある。

事業の種類をみると、環境美化や清掃が最も多く、次に花いっぱい事業やまつり・イベントなどが続く。いずれにしても、地域が自ら考え汗を流す活動に対して行政がサポートするものであり、経費面だけでなく、書類の作成や運営・執行などのサポートを地区ごとにある行政センターが行っているようだ。

太田市は合併により現在人口約23万人であり、わが市が20万人弱である点をみると1%まちづくり事業の取り組みは大いに参考とすべきである。特に、納税者である市民にとって、納税額の1%をまちづくり事業のための「枠」として保障することは、納めた税金が確かに自分たちのために使われているという実感を市民にもたらす。ますます地域活動の励みになるに違いない。
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