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どこに向かうのか

上の娘がUターン目指して現在就活中である。県外の大学に進学した時から、おそらく就職は県外で、と思っていただけに、地元に帰ってきたいと聞いた時には、素直に喜んだ。

と同時に果たして県内に適当な就職先があるかどうかに若干の不安を覚えたことも事実である。しかし、甲府市の定住人口がこれで少し増えるかと思うと何とか応援しようと思っている。

日本が人口減少社会に向かうだろうことはこれまでいろいろな場面で伺っているところである。とりわけ地方都市は帰ってきたくても、働く場所がないと、これまでそんなイメージがあり、人口は減る一方だと思っていた。生活が成り立たないところに定住はないことは明らかである。地方都市が衰退する一つの要因として、こうした労働市場の事情があることはおそらく否定できないと思われる。

しかし、バブル経済が崩壊し、長い景気低迷の時期を経験し、なおかつ日本経済を支えてきたのが圧倒的多数の中小企業であることにようやく目が向いてきた現在では、求人求職のマッチングがうまく機能していけば、地方の労働市場にも大きな希望が持てることが次第にわかってきた。

最近の「さとり世代」といわれる彼らにとって地方の魅力を再発見することは十分考えられるところである。「モノより思い出」「コスパが何より大切」といった行動様式で象徴される今の若い世代には、地方都市に蔓延する閉塞感を打ち破る大きなエネルギーを秘めていると、大いに期待している。

高度経済成長期から始まる右肩上がりの経済状況の中で生まれた社会システムは、現在では多くが制度疲労の危機にある。少子高齢化、人口減社会へと社会構造が変化する中で、この時代に即した制度設計を考えていく必要があることに異論はないだろう。

こうした時代に、我々は少なくとも次の10年のことを見据えて社会の在り方を考えていかなければならない。甲府市がこれからどこへ向かうのか。10数年後にはリニア中央新幹線が名古屋まで開業し、甲府市に新駅ができる。この時に明確なビジョンを示してまちづくりを進めていかなければ、今以上の衰退を招きかねない。

人口減少が予測される中で敢えて、「定住人口の増加」を打ち出す必要があるのではないか。これまで他都市の視察を行った中で、毎年人口が増加している都市も存在している。若い世代の市内への移住、そのための労働市場の確保、保育園その他の子育て環境の整備、安価な住居の提供など、次の世代をしっかり支える仕組みづくりを早急に整備すべきである。

これに加えて、「住んでよかった」と思える魅力ある地域づくり、子育てを地域全体で支え合うコミュニティづくりなど、これまで子育て世代への支援が相対的に手薄であった「福祉施策」の軸足をそろそろ次代を育成し支えていく方向へシフトしていくことが求められている。

昨年の「税と社会保障の一体改革」でようやく子育て支援策の充実がオーソライズされたが、今後一層ウェイトを置くべきである。なぜなら、次世代がこれからの社会の担い手、支え手であり、社会の持続可能性は彼らにかかっているといっても過言ではないからである。

こうした「どこへ向かうのか」という明確なビジョンを示して、社会の仕組みづくりを誘導していかなければ、団塊の世代の「受け手」への大量移行という眼前の最大の課題に押しつぶされてしまう結果になりかねない。今最も思索を巡らせているところである。

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