1月26日午後2時から、甲府市総合市民会館3階大会議室で、甲府市の教育委員会主催のスクールガード講習会に発表者として出席させていただいた。
スクールガードは、平成13年6月に大阪教育大学附属池田小学校の校舎内で発生した児童殺傷事件後に生まれた制度である。学校内でこのような悲惨な事件が発生するとはこれまで想定すらされておらず、社会に大きな衝撃を与えた事件である。
この事件後に、いわゆる「防犯環境設計」という観点から、学校の門は閉じられ、また防犯設備が学校に導入された。これらは、不審者はおろか地域住民をも拒絶するかのような印象を与えた。
教師も児童も防犯訓練を行うようになり、また校舎周辺のパトロールを主眼とする「スクールガード」が置かれ、不審者の発見、撃退が主流のねらいだったと記憶している。
その後、平成16年以後は、学校敷地内ではなく、校舎外の「通学路」での小学生の連れ去り、また声掛けなどが多発し、「子どもの安全」を守るいわば責任範囲をもはや学校だけに求めることに限界が生じてきた。
この時期に多くの県で、防犯まちづくりの取り組み、すなわち不審者に付け入る隙を与えないまちづくりの取り組みが生まれたのである。その思想の底流にあったのは、「犯罪機会論」、すなわち不審者や犯罪企図者から犯罪の「機会」を奪うための「人の目を増やす取り組み」によって、犯罪を「抑止」する考えである。
わが地区も当時の自治連合会長のまさに地域の子どもたちを自分たちで守ろうという熱い呼びかけに地域が立ち上がり、児童を見守る組織が平成19年2月に結成された。
この日の講習会で我々「新田小・児童見守りボランティアの会」を代表して、組織の誕生から現在に至るまで、住民の意識の転換の苦労、またいかに取り組みを持続させるかなどの宿命的な課題などについて、約30分間、80名近くのベテランの参加者の前で発表させていただいた。
とかく誤解されがちなこの取り組みである。最初に苦労したのが、「警察のやることではないか?」「子どもを守るのは親、いいかえればPTAの役目ではないか?」「か弱い市民に不審者と対決させるのか?」などである。
これまで自治会へのボランティアだよりの回覧などを通じて、またいろいろな機会をとらえて、「絆が深く、お互いに関心を持ち合う地域社会をつくれば、自然と不審者は近づかなくなる」というこの取り組みの狙いとするところを丁寧に訴えてきた。
また、共稼ぎ家庭が増加している今、見守り活動を保護者に求めることは仕事を辞めろというに等しい。復古主義では決してないが、古き昭和の時代には、地域全体でという考えが当たり前のことだったように記憶している。決して保護者に押し付けるようなことはせず、「寛容性」あふれる社会であったように思える。
この「地域で」という我々の基本的な方向を終始強調した。発表後にあちこちから質問をいただいたが、いずれも好意的な内容で胸をなでおろした。
これをきっかけに、子どもたちの見守りを通じてまた地域に活気が生まれることをひそかに期待している。それが県庁時代に「安全安心なまちづくり条例」の制定に携わり、こうした取り組みを全県に訴えてきた自分自身の使命だと思っている。