昨日(2月2日)付の公明新聞4面の「東京・山梨版」に、先日取材していただいた、地元中村町自治会のいきいきサロン「たんぽぽの会」の訪問状況が記事になっている。
高齢者の孤立化を防ぐために2010年度からスタートしたいきいきサロン事業であり、地元新田地区の6単位自治会すべてで早い時期からサロンが立ち上がっている。何と言っても地区社会福祉協議会を中心とする運営担当者の努力によるところが大きい。
いきいきサロン事業は月1回ないし2回、自治会館などに高齢者が集まる「サロン」であり、当初5年間の期間限定、すなわち助成の終期があらかじめ設定されているいわゆる「サンセット事業」である。
次年度2014年度はその助成最終年度にあたる。理屈からいえば、市からの助成はその「役割が終了した」として打ち切りになる可能性がある。
しかし、現場からは制度の継続を望む声があがっている。昨年開催された地元での市長とまちづくりを語る会においても、地区内のいきいきサロン運営責任者の方から要望が出された。
私自身もこれまで決算審査特別委員会等の場で、この事業の優れた点を評価するとともに、以前横たわっている課題、すなわち、こうしたサロンにさえ足を運べない高齢者に対する最低限の見守りシステムの必要性を指摘してきた。
今、いきいきサロン事業も転機を迎えていると感じている。国が2025年問題への対応として切り札的に考えている「地域包括ケアシステム」の構築を今後模索するうえで、サロン事業も大きな「資源」になることは間違いない。
だが、補助金事業は本質的に諸刃の剣的な性格をもつ。特に事業の立ち上げにインセンティブを与える性格の補助金がいつの間にか経常的な運営財源への補助と誤解され、補助金終了とともにせっかく立ち上げた事業を途中でやめてしまう事例も中にはあるようだ。俗な言い方での「金の切れ目が縁の切れ目」であるかのような。
おそらくサロン事業への助成は当初「事業」という形での立ち上げを支援し、すべての地域でサロンを立ち上げてほしい、という願いがあったと考えられる。そして、立ち上がったサロンが将来は「事業」という形ではなく、地域での日常生活行動の一部として営まれることを期待しているのではないか。
「事業」という形に固執すると、組織をどうしようとか内容をどうするとか、その運営に担当者が疲弊してしまう恐れがある。そのうえ補助金交付規則等で厄介な書類をつくったり、帳簿の整理に追われたりといった周辺事務の煩雑さに運営側に回る人材が敬遠する可能性がないともいえない。
サロン事業も地域での「支え合うシステム」の構築の端緒であり、これを契機に日常生活の一部としての「見守り」を中心とした高齢者を支えるシステムが出来上がることが期待される。初登壇の平成19年の9月議会で「小地域ネットワーク」の充実を、と訴えたことにも通ずる「日常生活」上のシステム構築を目指すことが重要ではなかろうか。
このネットワークは、高齢者だけのネットワークではない。言い換えれば「高齢者の、高齢者による、高齢者のための」システムでは決してないはずである。なぜなら、これは「地域全体の」システムであり、地域内に存在するのは高齢者だけではない。子どもも若者もまた働き盛りの世代もその構成員である。
だからこそ、地域で支え合うシステムは、3世代、簡単にいえば高齢者、現役世代、子どもの世代がそれぞれが担い手となって支え合うシステムであり、地域包括ケアシステムもこうした方向を目指すべきと考えるところである。