2月7日、定数・報酬研究会の先進地視察2日目は、三田市の取り組みである。
説明いただいたのは、(1)議会基本条例、(2)議会報告会、(3)議員間討論、(4)定数及び報酬、の4項目である。議会事務局職員の説明の後、議会改革推進会議の平野委員長と中田副委員長が質疑応答にあたっていただいた。いずれも素晴らしい女性議員である。
議会基本条例は、平成22年10月に議会に特別委員会を設置して以来、平成24年5月までの43回にわたって会議を重ね、平成24年6月議会で成立したと伺った。
条例はオーソドックスな形をとっており、議会での議論の活発化、政策立案の充実強化などが盛り込まれており、2元代表制の議会がこれまで以上に直接民意を担う機関であることを明確に規定している。もちろん、再確認の意味であるが。
特に、当局の重要な計画、すなわち総合計画や分野別の基本計画等について議会の議決事項としていることは、自治法の改正を受けてのこととはいえ、議会の関与の範囲を拡大し、市民の意見反映の機会を広げるものである。具体的内容については別個の条例が制定されているが、地方分権の大きな流れを感じる。
議会基本条例で見落としてはいけないのは、法律等ではこれまで必ずしも明確ではなかった、「議員の活動原則」が規定されている点である。三田市の条例にもこの例にもれず、規定がおかれている。
すなわち、言論の府であり、合議制の機関である議会の一員であるということ、その帰結として相互の自由な討議を行うこと、市民の代表としての任に耐えうるよう自己の資質向上に努めること、「市民全体の」福祉の向上に努めること、がそれである。
ここから、対外的に例えば議会報告会などの場においては、議員個人という立場ではなく、「議会」という組織の一員として行動することが求められる。きわめて当然のことであるが、残念ながら、この点は誤解や無理解も少なからず存在するようだ。
三田市の議会報告会は、ユーストリームによる動画配信も行っているという。若い世代にも情報提供が容易であり、今後ますます需要が高まるのではないか。
定数については、市民団体から定数条例改正の直接請求が提出されたこともあって、様々苦労されたようだ。最終的には2減の22で決着したようだが、定数や報酬には「基準」というものがないことから、妥当な水準を探ることがしばしば困難が伴う上、「減すること」が「正解」と安易に考えられがちであり、粘り強い説明が求められる。
2日間の研修を通して、いずれの自治体も丁寧に議論を積み上げ、じっくりと時間をかけて取り組んでいることが伝わってきた。そして、いずれも、定数・報酬の検討は、「議会のシステム改革」という大きな検討の枠組みの中のひとつに過ぎない。
要は、2元代表制の議会が本来、多様な市民の意見をその意思決定により反映させるシステムであるべきことを改めて再認識する必要があるということだ。議員一人一人は直接選挙で選ばれ、それぞれの民意を背負って議会に登場してくる以上、そして、議会が「言論の府」であり、「合議体」である以上、構成員である議員が議会の場で相互に自由に議論を戦わせ、そのプロセスを通じて最終的な「合意形成」を図っていく。それが2元代表制の下での議会である。
しかし、本市議会は残念ながらこのような状況に至っていない。だから、議会という組織としての情報発信が弱いのであり、これが市民の側から議会が何をやっているのか分からない、といったコメントが寄せられる一つの要因になっているのではないか。
「市民の負託に応える」とは、議会において市民の代表として「議論を戦わせる」ということである。こうした徹底した議論を通じて民主的方法による最終的な「合意形成」を図り、議決という形で意思決定を行っていくのが本来の在り方だ。
そのためには、多様な市民意見をいかに反映できる一人一人であるか。常に自己研さんによって資質向上の努力を行っていくことは当然である。
いよいよ議会改革という概念を正確に共通理解したうえで議論をすべき段階がきており、これまでのように、議会という「制度上の話」と議員個人の「資質」の話を混同したようなあり方を排し、「言論の府」にふさわしい議会の充実強化に向けてのシステム検討を始めるべきである。これが今回の研修の大きな成果である。