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豪雪災害に

2月14日、山梨県各地では予想をはるかに上回る記録的な豪雪に見舞われ、甲府市では観測史上最悪となる114センチの積雪を記録した。市では15日に雪害対策本部を立ち上げ、情報収集と対策に着手した。

最悪の事態は、本県の生命線といえる、道路網、鉄道網がすべて機能喪失の状態に陥り、一時、県全体が陸の孤島と化したことだ。県全体が孤立化すると同時に、各地で孤立集落が多数発生した。雪道で立ち往生して何日間も車中に閉じ込められた人々、電車の中で何日も不安な夜を過ごした乗客の方々。残念なことに、この豪雪で犠牲になられた方がいた。心からご冥福をお祈りしたい。また、まだまだ、復旧途上で、引き続き雪崩などの心配もあり、予断を許さない状況が続いている。一日も早く安全安心な日常生活に戻れるよう切に祈ってやまない。

大動脈が寸断され、一瞬のうちに危機的な状況に陥りやすい本県の県土の脆弱性が改めて浮き彫りになった感がある。物流はストップし、食料品をはじめとする必要な物資が県内に届かない。県内に滞留を余儀なくされた県外からの来県者。帰宅困難者という言葉は、3.11後に一般的となったものだ。

今回の雪害はもはや大地震時と同様の「災害」という状態であることは明らかだと思う。ただし、本県が大変な状況に陥っていることは、当初全国的にも知られていなかった気がする。メディアでの情報発信が当初はなかった感がある。火が付いたのは、ネットやSNS上での「SOS」だったのではないか?

今回私は、道路網、鉄道網がすべて寸断され、帰りたくても帰れない状況に陥ってしまった。いわば、県外での帰宅困難者である。2月12日から14日の日程で、会派の行政視察に出かけ、本来であれば、14日の夜に帰甲するはずだった。しかし、帰ることが出来ず、18日まで県外滞留を余儀なくされた。おそらく同様な状況におかれた方は多数いたに違いない。

さて、県外で図らずも帰宅困難者になって分かったことがいくつかある。

最も実感したことは、県外では、地元のニュースがほとんど手に入らないということだ。一般メディアでは山梨県がどういう状況になっているかはほとんど報道されなかった。我々が入手した情報は、家族や地元知人からのメールや電話、そしてネットやFB、ツイッターなどからの情報だった。こうしたツールを持たない人にとっては、情報が途絶し、言いようのない不安に襲われたに違いない。

八王子駅で中央本線の開通にかすかな望みをかけ、とどまっていた時に県内出身の婦人の方数名と知り合った。いずれもいつ帰れるのか、残された家族が心配、所持金も少なくなって、相談できる相手もいない、など窮状を訴えておられた。

私が皆さんの気持ちを代弁して、JR職員とかけあっても、見通しは不明という答えが返ってくるだけだった。そこにいる皆さんをただ「同じ山梨県人、一緒にがんばりましょう」というのが精いっぱいだった。言いようのない無力感に襲われたのは言うまでもない。

このような状況の中で、SNSからは、心温まるエピソードをいくつかいただいた。中央道のSAでの山崎パンの配送ドライバーのエピソードや国道上で車中に閉じ込められたドライバーへの沿道の住民の方々からの差し入れのエピソードなどは、気持ちを奮い立たせるのに十分だった。

また、孤立集落の救助など、行政が優先的に手を打たなければならない状況下で、自分たちにできることは自分たちで、と立ち上がった地域が多数あったことを伺ったとき、普段から地域コミュニティが重要と訴えてきた私にとって、胸が熱くなる思いだった。

私のところへも除雪車はいつ来るのか、という電話での問い合わせがいくつかあったが、この「災害」という状況で緊急に対応をしなくてはいけない地域に集中して行政も全力投球していることを丁寧に説明したところ、すべての皆さんに納得していただいた。

「災害」であるということの内外への発信は、全国レベルでの状況の共有という意味できわめて重要だ。こういう状況であれば、多少の不便は我慢しようという気運が醸成される。そして、何より、「対策が進んでいる」という情報発信は、人々に安心感を与え、もう少し頑張ろうというモチベーションの維持に貢献する。さらに言えば、今回の雪害が陸の孤島化という状況を招来したことを考えれば、「この災害をみんなで力をあわせて乗り越えよう」というメッセージの発信もあってもよかった気がする。

また、県外の帰宅困難者のための公的な相談窓口も今後相互協定などで準備した方がいいのではなかろうか。今回、単身で仕事のため上京し、帰れなくなった女性と話をしてみて、強く感じたところである。

いくつか県外で帰宅困難者になって気づかされた点について、思いつくままに綴ってみたが、最も訴えたいのは、県外での帰宅困難者もある面「被災者」であるということだ。でなければ、八王子駅周辺で不安と焦燥にさいなまれた多くの山梨県人の帰宅困難者が浮かばれない。本当は何としても帰って家族や地域の方々と一緒に災害に立ち向かいたいという思いを全員が持っている。それがかなわないときの張り裂けんばかりの心の痛みは決して小さくない。
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