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3月定例会意見書は、はたして?(1)

3月定例会は予算特別委員会を前に波乱含みだった。昨年12月に成立した「特定秘密保護法」の撤廃を求める請願が、「市民団体」から提出され、所管の総務委員会へ付託された。’

付託を受けた総務委員会は、3月10日に委員会を開き、審議した。予想通り、採択を求める意見と不採択とすべしという意見と意見が割れた。ただ予想外だったのは、最大会派の委員が採択に回ったことだ。請願内容をみれば、法律に書いてない憶測や感想を論拠としているに過ぎず、明らかに「いいがかり」の類であるのにかかわらずである。理解に苦しむ行動である。

請願は、法の撤廃を求める意見書を「議会」として国に送れという内容であり、議会としての意思決定という極めて重い行為を要求するものである。従って、請願内容を法的にみて問題ないか、事実誤認がないか、詳細に精査したうえで決定しなければ、甲府市議会の権威は失墜する。

だから、私は、請願の問題点を1字1句もらさず指摘し、この請願を採択するのは市議会として「誤った内容」をもとに意見書を送ることになり、議会の質を疑われることになると強く主張したが、結局委員会では採択という結論になってしまった。しかし、後々のために正確にその問題点を留めておかなければ、「一派」と誤解されるのでここに記録しておく。

特定秘密保護法は、これが漏えいすると国の安全を根底から揺るがしかねない重要な機密を一定のルールのもと政府で一体管理しようという法律である。欧米諸国をはじめ、主要国ではこうした情報保全保護法制が確立しており、その違反行為には最高刑を規定している国もあるほど国家の安全を護るシステムが確立している。

一方我が国では、せいぜい国家公務員法で1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられるくらいで、きわめて軽い。そのため日本は情報保全に甘い国とみられ、重要な機密情報の提供については、諸外国は躊躇する現状である。日本は情報がすぐ漏れてしまう、というのがこれまで諸外国の共通した認識だった。これは、独自の情報収集機関を持たない日本にとっては 致命的である。

最近では、2010年の尖閣諸島沖ビデオ流出事件が記憶に新しい。すなわち、海保の職員による漁船衝突事件の一部始終を撮影したビデオがネットで流出した際に、朝日、毎日をはじめとする大手メディアは、政府の情報管理の甘さ、機密情報保護法制の不備を指摘した。当時の民主党管政権は、有識者会議を立ち上げこれをもとに法案を国会に提出する準備をしていた。

この流れの延長線上に特定秘密保護法の流れがある。昨年の臨時国会に法案が提出され、論点を出しあい、対案を出しあい、集中的に議論して合意を目指し、国会議員が連日奮闘した。ただ一部政党は不誠実な態度に終始したようだが。’

終盤にきて、突如として、反秘密保護法キャンペーン(というよりむしろデマ宣伝と言った方が適切)が巻き起こった。その意図は見え見えだったが、一部メディアが文化人や法曹界を仲間に引き込んで大騒ぎをした。メディアの常とう手段であるちょこちょこっと電話で「世論調査」という名の「気分調査」をして、きわめて実態が不明な「世論」を創り上げる、その際、あの有名人が反対と言っているから、などという手法を繰り返しながら、反対の機運を盛り上げようとした。

今では笑いのネタになっている、「知らないで特定秘密をブログに書き込むと処罰される」「飲み屋で友人を酒を飲みながら特定秘密について話をすると逮捕される」といったありえない想定を苦心のうえ作り出し、不安をあおる手法をとった。

今回提出された請願は、そのとき使い古されたネタをもとに撤廃を要請してきた。次回にその笑える内容を紹介しながらその不当性を明らかにしていく。

それにしても「国家には秘密がない方がいい」とか「知る権利が侵される」「報道、取材の自粛につながる」など何が何でも特定秘密を漏らしてもらえないと困る勢力がいることがはっきりした。

普通の善良な市民で、特定秘密を知らなければ生活上困るなどという人はおそらくいない。もしいるとしたら、たぶんその人は危ない人だ。

国の安全が危険にさらされてもどうってことないのだろうか?首をかしげる毎日である。

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