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3月定例会意見書は、はたして?(2)

前回に続いて、迷走した意見書採択の状況について報告する。今回は提出された2つの請願について馬鹿馬鹿しすぎて紹介するのも恥ずかしいが紹介する。本来ならば全文を載せるべきだが、紙面が汚れる、もとい、請願者にぎりぎりの配慮をして、該当箇所のみとする。

一つ目の請願には、最初にこういう表現が記されている。「未遂、共謀、教唆、扇動も処罰の対象となるため、知人との会話といった日常的行為も制限を受ける可能性がある。」。思わず失笑である。前段は、いずれも犯罪を犯そうと謀議する、あるいは他人に犯行を決意させる、不特定多数の人に犯罪を決意させるためにあおる行為など、いずれも「犯意」のある行為をさす
しかし、これがなぜ後段の「知人との会話といった日常的行為も制限を受ける可能性がある。」 という結論になるのか?犯罪行為の打ち合わせでもない限り単なる会話が法に触れるわけがない。国語力がないのか、でないとするなら、悪意に満ちた論法である。

この後に「さらに、秘密指定の期間が無制限になる可能性もあり、国民の知る権利が著しく侵害される」と続く。が、法律をよく読みなさい、である。秘密指定は5年を原則とし、延長する場合でも原則30年を超えることが出来ないとされている。これのどこが「無制限」なのか?どうせわかりっこない、と思っているのだろうか。市議会議員もなめられたものである。

まだまだ無茶苦茶な理屈は続く。「最大の問題点は、「何が秘密かも秘密である」という点である。」と。もはや救いようがない。これが漏れれば国の安全保障上重大な事態を招くため、「秘密」として保全するための法律である。そして、どんな類の情報が秘密に指定されるかは、防衛、外交、スパイ活動、テロ活動の4分野の情報でしかも法律の別表で具体的に定められている。何が秘密かも秘密、ではない。絶対に他に漏らしてはならない情報を秘密と指定して情報保全のルールを定めているだけである。

例えば、これが「特定秘密」です、と具体的に法律に書くだろうか。テロリストがどこそこにいますよ、と書けというのだろうか?言っていることが支離滅裂であり、かえって「大丈夫ですか?」と心配になる。

もはや、これ以上紹介するのも馬鹿馬鹿しいが、これでもかというくらいネタを提供してくれる。「本人が特定秘密と知らないで書き込んだブログの内容が処罰の対象になる恐れもある。」ここまでくると、もはやその妄想力に敬意を表さなければならない。逆にその程度のことしか考えつかないとしたら、もう一度義務教育をやり直して国語をみっちりと学んだ方がいい。

法律は、特定秘密を漏えいする公務員の行為を処罰の対象にしている。特定秘密を扱うのが一部の公務員だから当然である。一般人が処罰の対象になるのは、法律では、①外国の利益を図る等の目的で、②暴行や窃盗等の違法な手段で特定秘密を取得する、③その際、特定秘密であることを認識している、場合だけである。これを見れば、知らないでブログに書いたら処罰される、などという結論が出るはずもない。だから妄想というのである。

最後に、「ツワネ原則」を持ち出して、知る権利と秘密保護の調整に関する権威あるこの原則に反すると難癖をつけている。これもまた市議会議員レベルだと誰も知らないだろうと思って持ち出してきたのだろうが、そもそもツワネ原則は国家の安全保障の根幹をなす重要機密の保護を前提にどこまで知る権利がアクセスできるか、という内容のものであり、知る権利が国の重要機密に絶対的に優越するなどとうたってはいない。
このように、最初の請願は、最初から最後まで根拠とされている事項が誤りないし曲解であり、これをまともに取り上げることなど、良識ある甲府市議会の議員がするはずがない、と最初は信じていた。しかし、最後は裏切られた。

次回は、2つ目の請願について、その悪意に満ちた攻撃的意図について紹介する。

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