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会派行政視察(3)~人吉市~

行政視察2日目の2月13日、午後から人吉市の子育て支援事業「つどいの広場九ちゃんクラブ」を事業の現地である「ほっとステーション九ちゃんクラブ」で視察した。

「九ちゃんクラブ」の前身は、人吉市保健センターを活動拠点としていた子育てサークル「てくてくクラブ」である。保健センター職員の努力により、平成16年度までは何とか活動を維持していたものの、センターの業務増等の事情で自然解散の状況に追い込まれた。

そこに現れたのが中心商店街の皆さんだったそうである。活動拠点を商店街におき、一緒に商店街のまちづくりをしませんか?と誘いを受け、空きスーパーの3Fフロアを借りて、平成17年7月から「ふれあい街づくり事業」としてリスタートした。翌平成18年4月からは、事業名を「人吉市つどいの広場事業」と定め、現在の運営主体の前身である、保育サポーター「陽だまりの会」が事業受託して運営にあたった。

運営のサポートは、商店街と子育てサークル九ちゃんクラブが構成員となっている「ふれあい広場実行委員会」があたっている。中心商店街とのコラボレーションは、子育て中の保護者にとっては、「気軽に自由に集える場の確保」と「地域に子育て支援の輪を拡げていく試み」という側面があり、商店街にとっては、「商店街が持つ力による子育て支援での商店街の活性化」という側面がある。お互いの目指すところが、「子育て」という一点を介してうまく結びついている。

平成22年8月から現在地のほっとステーション九ちゃんクラブに移転し、隣には商店街のおかみさん方が手作りの民芸品を販売したり、不用になった「雛人形」のあっせん販売を行ったりする交流スペースがある。23年4月には、陽だまりの会がNPO法人格を取得し、運営の基盤が一段と固まってきた。

ここでの活動内容は、①子育て親子の交流、仲間づくり。特に転勤で引っ越してきた方々には大変公表である。②子育てアドバイザーによる子育て相談、援助。週1回、家庭児童相談員、女性福祉相談員による相談の機会があり、また常駐2名の陽だまりの会メンバーにより随時相談を受け付けている。③子育て情報の提供、講習の実施。④ボランティアによる紙芝居、絵本の読み聞かせとなっている。

また特別事業として、街角ウォッチング、商店街スタンプラリーなど商店街との交流事業を行ったり、他地区の公民館へ出張して事業を行う「お出かけ九ちゃん」、また「イクメン講座」も開いている。利用者も陽だまりの会がNPO法人となった23年度からは年間約6千人と、増加傾向にある。

ここでも、前日の山鹿市と同様、子育て応援の店制度があり、ミルク用のお湯の提供、おむつ交換の場の提供、子供向けサービスの提供など、子育て支援の各種サービスを行っている。

九ちゃんクラブの隣の商店街のおかみさん方の交流スペースで話を伺ったが、もはや子育てへの「協力」という次元を超えて、「街全体で子育てを行っている」という印象を強く受けた。

中心商店街にこうした交流拠点があるということは、「ほっと」一息つける場があるということであり、子育てにかける「ほっと」な思いが伝わってくる。九ちゃんクラブが「ほっと」ステーションと命名されているのは、この意味ではないだろうか。

人吉市の担当課長(女性)さんからも運営主体の陽だまりの会の中心者からも何とか少子化を食い止めたいという、情熱が伝わってくる。予算規模は決して大きくないこの自治体にあって、合計特殊出生率が2.07という驚きの数字をはじき出しているのは、こうした方々の熱意と行動力、そして知恵を出し合うチームワークの良さがその大きな要因ではないだろうか。

九ちゃんクラブの周辺には温かい空気が流れている。また立ち止まって一息つける空間が街の至る所にいつでもドアを開けて待っている。そんな感覚を訪れる人に与えてくれるかのようである。

これも一つのまちづくりであることは疑いない。しかも中心商店街のまちづくりの側面もある。そこには巨額の投資はない。シンボルとなる大規模構造物もない。しかし、明らかに子育てという理念を共有している「人の営み」がある。中心商店街の空き店舗を活用して、街の活性化に一役買っているプレーヤーがいて、また同じレベルに立つサポーターがいる。こういうところにこそ、また来てみたいと思う「リピーター」が出現するのではないだろうか。

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