G-QCX3G9KSPC
閉じる

素朴な疑問

4月28日付の地元紙で、我が地区内の貢川団地の住民調査の結果が報じられていた。
これによれば、「団地住民 進む孤立化」という大見出しのもと、調査に関わった専門家の言葉を借りて、社会的な孤立が進み、「支援を必要としながら救いの手が届かない人がいる」と結論付けている。

「社会的な孤立」を測るものさしとされる「会話の回数」が少ない人が約14%もいるとし、特に近所付き合いという点では、都内3か所の公営団地での調査結果の半分程度の水準だそうだ。

また、地域への信頼感を持っていない人が5割を超えているとも指摘し、回答者の58.6%が65歳以上の高齢者で、2人以内の世帯が76.8%、8割以上が「暮らし向きが苦しい」と答えたとされている。これらは1面で大きく報じられている。

社会面では、「県営団地 弱まるつながり」と見出しがつけられ、「貢川住民 倒れ、数日後に発見」というリード文が踊っている。これだけ見ると何日も発見されずに亡くなっていたと思いがちだが、よくよく見ると、2日分の新聞がたまって、ベッド上で動けないでいるのを発見され、病院に運ばれたと書いてある。

私も約25年住んでいた貢川団地であり、近くに転居してからも依然としてかかわりを持っている身であるため、記事を注意深く読ませていただいたが、いくつか素朴な疑問が消えない。

一つには、団地内に4つある自治会のうちの1自治会の調査結果がはたして団地全体の状況を正確に反映しているだろうか、という点である。それぞれの自治会ごとに特性は異なる。
特に調査対象となった第1自治会は、築40年以上の老朽化した建物が多く、また部屋数が少ない建物も多い。住環境の視点からのアプローチもあってもいいと思われる。

二つ目に、貢川団地の抱える課題は単純ではない。記事の中にもあった通り、高齢になっての入居、特に単独での入居がここ数年増加の一途をたどっていること、また外国人世帯の急激な増加などもあり、自治会活動にも影響が出始めている。この点は、都内の公営団地と比較した場合どうかという点には触れられていないため、近所付き合いの点で都内の公営団地の水準より低いと結論付けることに違和感を感じる。

三つ目には、こうした孤立化を指摘して、ではどのように処方していけばいいのか、という解決のサジェスチョンが残念ながら伝わってこない。前述の専門家が「居場所づくりの制度化」を指摘したその方向性はいいとして、私がこれまで幾度となく訴えてきたその「担い手」の課題については、社会福祉協議会へ期待しているが、そうそう単純なものではない。

同協議会の構成メンバーは地域の住民であり、社協だけで地域づくりができるとは思われない。基本となるのはどこまでいっても住民の自治組織である自治会であり、自治会との連携なくして地域づくりは現状不可能である。これが地域の現実であり、この点からすれば、記事の中に当該自治会のコメントがあってしかるべきと、大きな疑問が残る。

最後にまとめとしていえば、こうした現状が生れた要因がどこにあるのかをきちんと検証しなければ、単に課題の指摘だけで終わるおそれがある。
すでに団地の連合自治会では立川市の大山団地の状況を視察するなどして、課題解決に向け懸命な努力をしている。また、2月の豪雪災害時の見事な対応が5月号の広報に取り上げられている。

この点を見落とすことがあってはならない。でなければ、大きな課題を抱えながら懸命に取り組んでいる貢川団地の連合自治会の努力が報われない。

最近のコメント

表示できるコメントはありません。