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議会運営委員会行政視察(1)~四日市市~

11月17日~19日の日程で、甲府市議会議会運営委員会の行政視察を行った。今回のテーマは3日間通じて「議会改革について」である。

1日目は三重県四日市市議会、2日目は奈良県奈良市議会、最終日は長野県松本市議会である。いずれも「議会基本条例」を制定し、開かれた議会として、また、言論・立法の府として、2元代表制の地方議会がより市民の負託に応え得るものとなるよう様々な取り組みを行っている。

日経グローカルの改革度上位にランクされるほど、その取り組みは我々甲府市議会の今後の議会改革を検討するにあたって大いに参考となると考え、今回の視察先に決定したものである。

初日の17日は、四日市市議会を視察した。同市議会は日経グローカルの第3回調査で、議会改革度全国1位に輝いた。

四日市市議会では議会基本条例制定に向けた検討を平成21年6月から開始し、平成23年3月議会で条例を可決成立させている。

その経過を見ると注目すべき点が見える。同市議会では平成12年に当時の議長の提案で「市政活性化推進等議員懇談会」という組織を発足させている。これは、市政の様々な課題について、執行部を交えず、議員だけで自主的に意見交換、情報交換を行う場として設置されたものである。平成17年にはその発展的組織として「議員政策研究会」を立ち上げている。いわば「議員間討議」の組織である。

この組織が母体となり、いくつもの「分科会」が設けられ、議会基本条例もそのひとつの分科会として、平成21年度~22年度に精力的に検討が進められ、成案をみたものである。この組織は今後わが市で議会改革ないし議会活性化の検討を進めるにあたって大いに参考になる。

さて、四日市市議会基本条例には、3つの柱を内容とする基本方針が定められている。第5条に定められている基本方針をみると、(1)「市民との情報共有」がまず定められている。その中心は、議会活動についての積極的な情報公開である。議会の傍聴の促進や会議のネット中継のみならず、最近の議会改革の主流となっている「議会報告会」などがある。

(2)2点目は、「市民参加の推進」である。これは、議会における討議に市民意見を反映させる仕組みであり、委員会における公聴会制度・参考人制度の活用、専門的な知見の活用、議員提案条例等に係るパブリックコメントの実施、また、請願審査にあたっての紹介議員や晴眼者からの意見陳述制度などをその内容としている。

(3)3点目は、「議員間討議の活性化」である。これは、あらゆる会議で議員同士の討議を尽くしたうえでの意見集約の実現であり、この点は議会が「合議制の議論の場」であることを明確に意識したものである。

以上の基本方針の帰結として、第6条で議会の位置付けを明確に宣言している。内容を要約すると、議会は市民の代表者である議員で構成する「議論の場」であり、行政の監視機能のみならず、政策立案機能・政策提言機能を併せ持つ「意思決定を行う議事機関」であるとする。

最近の議会改革の潮流はまさにこの点に集約される。すなわちこれまでの議会はこうした機能を本来持ち合わせているにもかかわらず、議会内部での徹底した討論およびそのうえでの意見集約ないし合意形成というプロセスが必ずしもなされておらず、議決行為が議会という「組織としての意思決定」にはほど遠いことから、議員同士の「議論」を通じた意思決定システムを条例という形で明確に制度化しているものである。

議会改革を考えるうえで何より重要なことは、これまで議員個人と執行当局との個別的なやり取りのみで最終的に採決されていたものを、議員同士の意見のやりとり、すなわち「議員同士の議論」を通じて最終的に議会の意思決定を行うシステムに変更することである。

例えば委員会審議などを見ても、議員対当局という図式しかないのであり、たとえ議員個人の意見に対して疑義をはさみたくとも直接当人にぶつけることは制度上できない。これはどうみても不可思議である。議会という組織がおよそ対外的に意思決定を行うのであれば、四日市市のように、「議論」は当局を交えず議員同士で行うべきであり、こうした議論を尽くして初めて採決という方法での意思決定が正当性をもつ。

こうして初めて、市民への議会活動の報告すなわち「議会報告会」が可能となるのである。

これまで議会が言論の府であるとか合議制の機関であるといわれてきた一方で現実に目を向けるとその理想には程遠い実態がある。それは現行制度の限界ともいえるものであり、四日市市議会基本条例の定めるようなあり方に議会制度を変えていくことが市民の負託によりこたえ得る議会へと脱皮するための一つの方向ではないだろうか。

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